12年に1度の水上祭典 鹿島神宮式年大祭「御船祭」斎行
御神輿をのせて、大船津と加藤洲を往復する御座船
午年に斎行される国内最大規模の水上祭典
8月31日から9月3日まで、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮の式年大祭「御船祭(みふねまつり)」が行われた。12年に1度、午年に斎行される国内最大規模の水上祭典だ。8月31日の「御座船清祓式(ござぶねきよはらいしき)」に始まり、9月1日には「勅使参向例祭」と「神幸祭」が行われた。最大の見どころは、9月2日の「水上渡御」。龍の飾りを付けた御座船を先頭に、約100隻の供奉船が鰐川に面した大船津鳥居から外浪逆浦を経て、常陸利根川の加藤洲まで水上を巡幸。香取神宮御迎祭を行い、再び水上を大船津まで戻る。
9月2日午前8時、前夜の「神幸祭」で行宮に遷った御祭神が、御座船が待つ大船津へ向けて出発する儀式「行宮御発輿祭(あんぐうごはつよさい)」で、水上渡御の始まりが告げられる。その後の「召立(めしたて)の儀」では、約2000人の供奉員(ぐぶいん)に対して神前でそれぞれの役割が宣言され、神幸列は一路大船津へと向かう。
9時30分ごろ、神幸列が大船津に到着。西の一之鳥居の下で行われるのが「御発船祭」だ。御神輿の前で宮司以下の祭員が「これより水上神幸を執り行う」との旨の祝詞を奏上する。御座船や供奉員が乗る供奉船が集まる船着き場は御船祭のために設置される、12年に1度しか見られない風景だ。
10時過ぎ、御神輿が御座船に遷され、いよいよ水上渡御が始まる。10時20分ごろ、鹿島神宮、香取神宮とともに、東国三社のひとつである息栖神社(いきすじんじゃ)の先導船に率いられ、約100隻の大船団が大船津を出発した。色鮮やかな旗や幟を掲げて香取市加藤洲を目指す、御船祭ならではの光景だ。途中、船団がくぐる鰐川橋では多くの人たちが待ち構え、笑顔で手を振っていた。

12時、御座船が香取市の加藤洲に到着した。「香取神宮御迎祭(おむかえさい)」が行われる。鹿島神宮の御祭神・武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)と、香取神宮の御祭神・経津主大神(ふつぬしのおおかみ)は、日本平定に協力し合った間柄。加藤洲では香取神宮の宮司が御座船に乗り込み、祝詞を奏上する。かつて霞ヶ浦一帯に広がっていた「香取の海」を舞台に行われていたであろう祭礼が、現在まで受け継がれている。


午後2時、船団は加藤洲の対岸にある潮来河岸を発し、大船津を目指す。午後3時半、大船津に到着。多くの人々に迎えられ、「御着船祭」が斎行された。その後、神幸列は沿道の人々に励まされながら鹿島神宮へ。17時、楼門前の行宮に御神輿が到着。「行宮御着輿祭」が執り行われ、この日の諸祭が終了。9月3日の「行宮祭」「還幸祭」を経て、式年大祭「御船祭」がすべて終了した。
かつて、「香取の海」を行き来していた人々の営みが感じられる、水上の一大祭典「御船祭」。次回の斎行は2038年(令和20年)だ。
(Web掲載:2026年9月4日)


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