【スイーツの町さんぽ】コラム 一度は食べたいご当地アイス(アイス評論家・アイスマン福留)
アイス饅頭
◎寿恵広<三重>
1950年頃から続く定番商品で、小豆とミルクのアイスキャンディー。中心の小豆を餡、周囲のミルクを皮に見立てる構成が「饅頭」の名の由来。甘さは現代向けに控えめながら、当時の製法を守る。抹茶・丹波大納言・黒糖など派生フレーバーもある。ホームページは👉こちら
その土地で生まれ、地元の人々に長く愛されてきたご当地アイス
「ご当地アイス」とは、その土地で生まれ、地元の人々に長く愛されてきたアイスのこと。全国流通を前提としない小ロット生産だからこそ、昔ながらの製法が守られています。
例えば三重県桑名市。ここには「アイス饅頭(まんじゅう)」の御三家と呼ばれる店「寿恵広(すえひろ)」があり(冒頭の写真)、あんこ入りのアイスキャンディーが今も変わらぬ製法で作られています。地元の人は20〜30個をまとめ買いし、冷凍庫に常備するのが夏の文化なのです。
青森、秋田、高知、長崎、沖縄などでは、地域によって名前は違いますが、パラソルの下でアイスクリンを売る光景が今も残っています。ヘラを上手に使い盛り付けてくれるアイスクリン。シャリッとした食感と素朴な味が魅力で、その土地に行かなければ絶対に体感できません。
手作りのアイスキャンディーは、昭和20〜30年代が最盛期でした。当時と変わらぬ手作り製法を貫く店は各地に残っています。中には保冷剤の代わりに新聞紙でアイスを包んでくれる店もあります。新聞紙にくるまれたアイスキャンディーを抱えて帰る道すがら、昭和にタイムスリップしたような感覚を味わえます。
シチュエーションも、アイスを一段とおいしく感じさせてくれる“調味料”です。牧場の風景、城下町の家並み、港町の潮風、湯上がりの温泉街。その土地の景色とともに食べるからこそ、ご当地アイスは何倍にもおいしくなります。
こうした文化は、一度途絶えたら二度と戻りません。だからこそ私は、旅先でご当地アイスを見つけたら、必ず食べます。1本のアイスを買うことが、その土地の文化を未来へつなぐ1票になります。旅行をする際、「ご当地アイス」という視点をぜひ加えてみてください。
長崎カステラアイス
◎ニューヨーク堂<長崎>
自家製の手焼き長崎カステラでアイスを挟んだ逸品。長崎県ブランド卵「太陽卵」をカステラとアイスの双方に用い、毎朝の卵割りから全工程が手作り。フレーバーは全7種あり、本店、長崎空港などのほか、通販でも買える。ホームページは👉こちら

べつかいのアイスクリーム屋さん バニラ
◎べつかい乳業興社<北海道>
別海町産生乳、北海道産クリーム、てんさい糖、脱脂粉乳、卵黄、ラム酒を使ったバニラアイス。乳脂肪分18%(一般的には8%以上)という驚異のスペックだ。生乳の風味を味わえ、深いコクがありつつ後味はすっきり。ホームページは👉こちら

プリン白熊 レギュラー
◎天文館むじゃき<鹿児島>
鹿児島名物のかき氷「白熊」。1947年に同店の創始者が考案し、練乳を改良した自家製ミルクと蜜、果物・豆類、ふわりと溶ける薄削り氷が特徴だ。商品名はチェリー・アンゼリカ・レーズンの配置が白熊の顔に見えることに由来する。ホームページは👉こちら

もも太郎
◎セイヒョー<新潟>
新潟県では夏の風物詩として親しまれる氷菓で、1940年代から製造開始。名称は「桃型」に由来し、イチゴ味シロップにリンゴ濃縮果汁を合わせている。表面はあえてコーティングしないザクザク食感で、48時間かけて作る氷も特徴だ。県内のコンビニやスーパーでも買える。ホームページは👉こちら

グリーンソフト
◎玉林園<和歌山>
和歌山県ではソウルフード級の定着度を持つ抹茶入りソフトクリームで、1958年発売。国産茶葉100%を石臼でひいた抹茶を使い、色・香りを損なわず、甘さはさっぱり仕上げ。店頭のソフトタイプと、通販向け主体のハードタイプがある。ホームページは👉こちら

桃ジェラート 白鳳
◎ラ・ペスカ<山梨>
桃農家「ピーチ専科ヤマシタ」の直営カフェで味わえる。自社農園の桃を使い、約40品種超をジェラート化している。中でも品種「白鳳」は柔らかい果肉、少ない繊維、果汁の多さ、低めの酸味などが特徴。「あいぱく®」(下記参照)でも人気だ。ホームページは👉こちら

🍦アイスクリーム万博「あいぱく®」へ行こう!🍦
アイスを集めた「アイス好きの楽園」をコンセプトとする国内最大級のアイスクリームイベント。日本アイスマニア協会が厳選した名品や話題の商品、会場限定メニューを楽しめる。2015年の初開催以来、累計来場者数は450万人を突破。
■問い合わせ:日本アイスマニア協会/TEL:03-6823-4761

文・写真/ アイスマン福留
アイスマン福留(ふくとめ)
年間1000種以上を食べ歩くアイス評論家。一般社団法人日本アイスマニア協会の代表理事。全国のご当地アイスを集めた最大級のイベント「あいぱく®」を主宰し、テレビ出演、執筆、商品開発など幅広く活動している。
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2026年10月号)
(Web掲載:2026年11月4日)


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