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花ひらく文化の京、寛永文化ゆかりの地へ<京都府>

場所
> 京都市、宇治市、八幡市、長岡京市
花ひらく文化の京、寛永文化ゆかりの地へ<京都府>

黄檗山萬福寺の舎利殿に祀られる後水尾天皇の尊像

戦国の争乱から公武融和の泰平へ。
時代の転機に新風を吹き込み、京都から全国へと広がった寛永文化。
日本文化の故郷を再発見する。

「寛永」は、後水尾(ごみずのお)天皇に徳川秀忠の娘・和子が嫁ぎ、朝廷と幕府が「公武融和」へ動き始めた時代。その象徴が、徳川将軍家が二条城に後水尾天皇を迎えた「寛永行幸」だ。

和歌など諸芸術に通じ、当代随一の文化人だった後水尾天皇は、寛永文化を花開かせた中心人物。書画に陶芸、華道、茶の湯など現代にも息づく日本文化と美意識の礎を築いた。

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提供:京都市元離宮二条城事務所

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提供:京都市元離宮二条城事務所
元離宮二条城
徳川家康が築城後、秀忠が天皇行幸のために「寛永の大改修」を実施し、本丸御殿(重文)と二の丸御殿(国宝)を増改築。狩野派の障壁画、彫刻・錺(かざり)金具の装飾は豪華絢爛。二の丸庭園(特別名勝)は小堀遠州らが普請奉行を勤めた。世界文化遺産。
京都市中京区二条通堀川西入二条城町541/8時45分~16時、年末休/800円(二の丸御殿とセット1300円、本丸御殿は別途1000円で要予約)/TEL:075-841-0096

「寛永行幸」とは?

1626(寛永3)年9月6日~10日の5日間、後水尾天皇を徳川秀忠と家光が二条城に迎えた「おもてなし」(饗応の儀)。舞楽や和歌、猿楽(能)、馬献上など、宮廷故実と武家新興の文化を織り交ぜた盛大な行事が城内で催された。家光が牛車で先導して大名も参列し、天皇が乗る鳳輦(ほうれん)が内裏(だいり)を出発する「稀代のパレード」と、京の街が観衆であふれる姿が『二条城行幸図屏風』に描かれている。

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「二条城行幸図屏風」江戸時代(京都市指定文化財泉屋博古館蔵)

隠元(いんげん)禅師開創の萬福寺は天皇とゆかりが深い。天皇は生母の出自・近衞家の所領を寄進。七堂伽藍(がらん)が建立され、自らも帰依した。天皇像を祀(まつ)る舎利殿では9月に法皇忌が営まれる。

渡来僧の隠元禅師は日本人の生活様式や食に影響を与える文化を伝えた。法要後の茶礼・普茶料理もその一つ。「一人一膳ではなく、四人一卓で身分の隔てなく大皿の盛り合わせを食べます」(萬福寺・岡﨑千慶さん)。みんなで楽しく味わう、山芋や海苔の「蒲焼もどき」は絶品だ。

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黄檗山(おうばくさん)萬福寺
1661年創建の黄檗宗大本山。明朝様式の法堂、大雄宝殿、天王殿は国宝。普茶料理は「普(あまね)く大衆と茶を供にする」意味で、植物性素材を肉や魚に見立てたコース料理(要予約・2人前~、写真は「特別普茶料理」6600円)。
宇治市五ヶ荘三番割34/9時~16時30分/500円/TEL:0774-32-3900

「寛永の三筆」の一人、松花堂昭乗(しょうじょう)の草庵「松花堂」を移築保存するのは、松花堂庭園・美術館。「一服の茶で文人墨客を迎えた昭乗。宇治や伏見、大仏殿(方広寺)も遠望したそうです」と平井俊行館長。特別展では昭乗の書画に出合える。

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八幡市立松花堂庭園・美術館
石清水八幡宮の社僧、松花堂昭乗ゆかりの文化施設。「対月図」など所蔵品の特別展「八幡で感じる寛永文化 松花堂昭乗の書画、茶の湯」を12月6日まで開催。茶室にもなる隠居後の住まい草庵「松花堂」(国指定史跡名勝)は11月14日~12月6日に特別公開(期間中は美術館・庭園特別拝観料1000円)。
八幡市八幡女郎花43-1/9時~16時30分、月曜(祝日の場合は翌平日)・年末年始休/TEL:075-981-0010

洛西の楊谷寺(ようこくじ)は弘法大師の霊水・独鈷水(おこうずい)で有名な「眼の観音様」。後水尾天皇の子・霊元(れいげん)天皇も眼病が治癒した。岩盤から浸み出る水音に耳を澄まし、飲む人も眼を洗う人も願いを唱える光景は1200年間変わらない。映画のロケも行われる上書院は、密かな紅葉の名所だ。

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柳谷観音楊谷寺
806年開創。柳が茂る渓谷で発見された十一面千手千眼観音像が本尊(秘仏)。弘法大師・空海が祈祷した「独鈷水」の眼病平癒で知られ、近年は「花手水」発祥の地としても人気。特別拝観「もみじウィーク」は11月14日~12月6日。
長岡京市浄土谷堂ノ谷2/9時~16時30分/500円(もみじウィーク1000円)/TEL:075-956-0017

興聖寺は1648年(慶安元)に再興した曹洞禅の修行道場。天竺殿の聖観音坐像は後光明天皇の宸翰(しんかん<自筆の文書>)を用いて造らせたと伝わる。僧堂での坐禅体験は、道元禅師の境地「而今(にこん)の現成(げんじょう)」(=いま、この一瞬を生きる)へ誘ってくれる。

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興聖寺
道元禅師が開創した日本最古の曹洞宗の修行道場。1648年に徳川秀忠近臣の淀城主・永井尚政が現在地に再興。法堂は伏見城の遺構と伝わる。寛永行幸四百年記念の特別公開は11月19日~12月6日。後水尾天皇下賜の「孫の手」などの寺宝を公開。
宇治市宇治山田27-1/10時~16時/500円(特別公開1000円、坐禅体験1000円・要予約)/TEL:0774-21-2040

竜宮造りの山門から紅葉が映える琴坂を下り、宇治川のほとりへ。茶の湯を独創的に進化させた小堀遠州が「朝日」の二字を与え、四百年続く古窯・朝日焼がある。「Shop&Gallery」には、ガラス張りの採光で明るい茶室が設えてある。

「千利休の厳しさ、古田織部の『へうげもの』とは異なる、遠州好みの明るく上品な美意識を大切に、現代的にした空間です」と店主の松林俊幸さん。朝日に似た橙色に焼き上がる肌合いを「燔師(はんし)」と呼ぶ。寛永の茶人が珍重した京の茶陶を、茶室で見て、触れて、体感しよう。

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朝日焼Shop & Gallery
「遠州七窯」の一つで慶長年間に朝日山麓の宇治茶の産地に開窯。透明な釉薬で土が発色し浮き出る色味「燔師」や斑点模様「鹿背(かせ)」が特徴。Shop & Galleryは茶盌(ちゃわん)や水差しなど多彩な茶器を展示販売。別棟の作陶館で1日陶芸体験(4400円~、要予約)も楽しめる。
宇治市宇治又振67/10時~17時/月曜休(火曜のみ要予約)/TEL:0774-23-2511

寛永文化を体感「寛永行幸四百年祭」

寛永行幸から400年を記念し、京都府内の寛永文化ゆかりの地で特別展示等を開催中。12月6日には京都御苑から元離宮二条城まで、歴史考証に基づく装束や雅楽演奏による数百人規模で寛永行幸を再現する。

京都御苑内「京都迎賓館」では、これにあわせ事前予約不要の一般公開を実施する(一般1500円)。イベントの詳細はHP(👉こちら)を参照。

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行幸行列再現イベント参加者への礼法・作法研修

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京都迎賓館 出典:内閣府ホームページ(https://www.geihinkan.go.jp/kyoto/)

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協力:京都府観光室

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年12月号)
(Web掲載:2026年10月30日)


Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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