海も山もある沖縄の離島 久米島、島あそび
沖縄県で5番目に大きい島
白砂のビーチ、サンゴ礁、豊かな森が広がる南の島だが、底抜けに明るいリゾートともちょっと違う、不思議な落ち着きがある久米島。美しい海の魅力をたっぷりと体感し、名産のグルメを味わい、そして島の人たちと触れ合う旅へ。
那覇空港から飛行機で慶良間諸島の上空をゆき、西へ約30分。沖縄県で5番目に大きな島・久米島は、琉球王朝時代に貿易船の寄港地として栄えた島だ。
この島を象徴するのが、東の海上に細長く伸びるハテの浜。サンゴのかけらが波に寄せられ堆積してできた砂州で、白くまぶしく輝く砂浜から、沖に向かってだんだんと濃くなる青のグラデーションが美しい。ビーチで貝拾いをしたり、シュノーケリングでカラフルな魚を探していると、時間が経つのはあっという間。船底から海中が見えるグラスボートで行くツアーなら、行き帰りのサンゴ礁でウミガメに出合えることもある。
乗馬ツアーに離島グルメ
久米島では海遊びには事欠かない。透明度の高い海に漕ぎ出すシーカヤック、南国の海中をのぞくスキューバダイビング、それにキハダマグロ釣りの名所でもある。近年、沖縄在来馬などに乗って浜を散歩したり、一緒に海に入ったりする乗馬ツアーも登場した。
健康志向の人は、海洋深層水を使ったプールがあるバーデハウス久米島でのんびり過ごすのもいい。すぐ前の浜には自然が造った亀甲模様の岩が続く畳石という岩場があり、月のない夜、そこから眺める満天の星々も実は久米島の隠れた名景だ。
沖縄の離島では珍しく、久米島は山が連なる島でもある。宇江城(うえぐすく)岳やアーラ岳などが中央部にそびえ、その山で磨かれた豊富な湧き水によって、古くから稲作や泡盛造りが行われてきた。島に2軒ある蔵元で造られる泡盛はどちらも、まろやかな口当たりで島料理との相性抜群。
久米島で養殖される生産量日本一のクルマエビや海ぶどう、泡盛の酒粕で育てた、本州にも出荷されるブランド鶏・久米島赤鶏、カツオや豚骨など複雑なだしがきいた久米島そば。冬でも温暖な島とはいえ、旬にしか出回らない貝や野菜もあり、時期を変えて再訪するのも楽しみだ。
琉球王朝が支配する前、島にはいくつもの城があったといわれる。城壁の一部が残る宇江城城跡からは眼下の豊かな森、ハテの浜などが見渡せる。海の向こうから伝わった技術の一つが、久米島紬(つむぎ)。その技術は受け継がれ、島では60年以上の経験をもつ職人も現役で機を織り続けている。
久米島は、リゾートというより暮らしが見える島。小さな商店や見どころを回れば、また会いたくなる誰かときっと出会うだろう。
インフォメーション
・宿は島内に、ホテル、民宿、ドミトリーなど28軒
・レンタカーは5社(島内一周約40分)、タクシーは2社。レンタサイクルもある
・年間平均気温は22.9℃
久米島へのアクセス
那覇空港から飛行機約30分で久米島空港。または那覇・泊港からフェリー約3時間で久米島・兼城(かねぐすく)港
観光の問い合わせ
久米島町観光協会
TEL 098-896-7010
https://www.kanko-kumejima.com/
久米島の魅力を紹介するページはこちら
https://two-kumejima.jp/
(出典)「旅行読売」2019年1月号
(掲載)2019年10月1日