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世界遺産の古代遺跡を訪ねて 南米ペルーのマチュピチュ

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世界遺産の古代遺跡を訪ねて 南米ペルーのマチュピチュ

インカ帝国の遺跡で、いまだに多くの謎を秘めた空中都市「マチュピチュ」

世界遺産には、街、寺社、鉄道などさまざまなテーマのものが登録されている。中でも古代遺跡は、時を超えて想像を膨らませて楽しめるのがいい。世界50か国以上を飛び回って取材活動を続ける旅行総合研究所「タビリス」の代表・鎌倉淳氏が、特におすすめの古代遺跡を紹介する。

世界遺産の旅で、圧倒的に面白いのは古代遺跡である。異国へ赴き、失われた時代の街並みを歩けば、海外旅行と時間旅行をあわせて楽しめるからだ。


15世紀のインカの街並みが残る天空の都市

遺跡とは視覚化された歴史である。その魅力にとりつかれ、私は世界の巨大遺跡を片っ端から訪問してきた。最も魅力ある遺跡はどこかと問われれば、迷わずにペルーのマチュピチュを挙げる。天空の都市で、15世紀のインカの街並みが残る。

古都クスコからマチュピチュへは、軽便鉄道で4時間ほどだ。遺跡への経路がローカル線という舞台装置も、この遺跡の魅力を高めている。駅からバスに乗りつづら折りの道を登ると、ようやくマチュピチュに着く。


インカ帝国の太陽信仰に基づいて造られた「太陽の神殿」(マチュピチュ)
インカ帝国の太陽信仰に基づいて造られた「太陽の神殿」(マチュピチュ)

ゲートを潜ると、あまりの美しさに思わず立ち尽くす。精巧に積み上げられた石造りの建物が奥へと続き、地面には濃緑の草が生い茂る。背景に天を刺すような山がそそり立ち、段々畑が谷に落ちていく。


マチュピチュ遺跡で見かけた、南米アンデス地方に多く住む動物リャマ
マチュピチュ遺跡で見かけた、南米アンデス地方に多く住む動物リャマ

日本人とマチュピチュの不思議な関係

マチュピチュ山麓には村がある。あまり知られていないが、この村の開発に力を尽くしたのは日本人である。野内与吉という明治生まれの移民で、村長も務めた。村には広大な温泉露天風呂があるが、それも野内の発案。村に点在する宿に泊まり、にごり湯の露天風呂で夜空を見上げて、日本人とマチュピチュの不思議な関係に思いをめぐらせてみるのもいい。

ペルー政府観光庁 https://www.peru.travel/jp/

ペルー関連ツアーはこちら

https://www.yomiuri-ryokou.co.jp/kaigai/southamerica/peru/

(出典: 「旅行読売」2018年7月号)


Writer

鎌倉淳 さん

1969年、東京都生まれ。旅行総合研究所タビリス代表。放送局記者を経て、世界の観光エリアや航空・鉄道に関する取材を続けている。著書に「死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡」(洋泉社)など

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