フランス・オクシタニー地方はラグビーの“聖地”。代表選手輩出の秘密はあの名物料理?それとも「第三ハーフ」?
東京都内のオクシタン料理店「コントワール・オクシタン」で乾杯するフランス・オクシタニー地方圏議会のキャロル・デルガ議長(中央)。右はコントワール・オクシタンのオーナー、アンドレ・パッションさん
ラグビー強豪国として知られるフランス。その中でも南西部オクシタニー地方は“ラグビーの聖地”といわれるほど、ラグビーが盛んだ。
日本で行われたワールドカップ2019では、10月20日の準々決勝で惜しくもウェールズに敗れ、ベスト4進出を逃した。
驚くべきは、今回のフランス代表チーム37人(バックアップメンバー6人を含む)のうち、実に11人をオクシタニー地方が送り出したことだ。
そのオクシタニー地方圏議会のキャロル・デルガ議長率いる経済ミッションが来日、9月26日、東京都渋谷区のオクシタン料理店「コントワール・オクシタン」で同地方の魅力をPRするプレス発表会を開いた。
デルガ議長に「オクシタニー地方から、多くの代表選手が輩出するのには、何か理由があるのでしょうか、選手を強くするのに、直接的か間接的に影響する料理や飲み物は?」と質問したところ、「ラグビーは、私たちの地方の文化といってもいいほど重要な存在だ」という返答だった。
「オクシタニー地方では、試合後にお祭り騒ぎをする『第3ハーフ(トワジエム・ミタン)』という習慣がある」とも言う。
ラグビーの試合は第1ハーフ、第2ハーフからなる。オクシタニー地方では、試合後、勝者と敗者が杯を酌み交わし、料理に舌鼓を打って楽しむことを「第3ハーフ」と呼ぶ。
ラグビーのクラブチームのグッズを販売する店をはじめ、ラグビー関連の店も多く、ラグビーが生活の隅々まで浸透している。それが強さの秘訣らしい。
「選手を強くするのに影響する料理または飲み物は?」という質問に対しては、デルガ議長は、レストランの壁にかかった黒板を一瞬指差し、「あえて言うならカスレ」という言葉を発した。
黒板のメニューには確かに「カスレ」という単語が見えた。「カスレ」は、白インゲン豆やソーセージの煮込むフランス南西部名物の伝統料理だ。
質疑応答のあとは、コントワール・オクシタンのオーナーでオクシタニー地方出身のアンドレ・パッションさんが監修したオクシタン料理の試食会。「白インゲン豆、鴨のコンフィ、ソーセージの煮込み」もあった。質疑応答で、デルガ議長が言及した「カスレ」である。
煮込みに使われた「鴨のコンフィ」は脂で漬けた鴨肉で、これもフランス南西部伝統の味だ。
試合の後、「カスレ」に舌鼓を打つ、オクシタニー地方のラガーマンたちの姿が目に浮かんだ。
観光情報はフランス観光開発機構ウェブサイトで。
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