ガウディへの旅(5)サグラダ・ファミリアの教科書は「モンセラート」と植物
サグラダ・ファミリアの巨大な柱は「枝分かれ」し、巨樹のようにも見える
スペイン・バルセロナの「サグラダ・ファミリア」と言えば、建築家ガウディが手がけ、今なお建設中の教会として世界的に有名だ。
1882年に着工、辞任した初代の建築家から翌年引き継いだガウディが、設計を全面的に変更し、1926年に亡くなるまでライフワークとして取り組んだ。
独特の曲線を描いて並び立つ尖塔は迫力満点。見上げるうちに、モンセラートの岩山と二重写しになってくる。ガウディが「モンセラート」から建築のヒントを得たのは明らかなように思える。
サグラダ・ファミリアの周囲には美しい木々がある。建物を見る位置によっては、美しい木々に囲まれた建物を撮影することも可能だ。
この建物のデザインは、モンセラートの山頂だけでなく、樹木からも着想を得ているようだ。建物内部に入ると、巨大な柱が途中で枝分かれしており、まるで巨大な樹木のように見える。
ネギの先端には、白い球状の花がつくことがある。「ネギ坊主」とも呼ばれるネギの花が、サグラダ・ファミリアの尖塔の先端に似ていると言う人もいる。
尖塔の先端には「ネギ坊主」?
ガウディは、モンセラートの山頂や植物など、自然の様々な造形を「教科書」として、壮大な教会建築「サグラダ・ファミリア」を構想したのだろう。
かつては完成まで300年以上かかるといわれていたが、現在はガウディ没後100年の2026年完成予定となっている。
2005年までに、グエル公園、サグラダ・ファミリア、カサ・バトリョなど7か所の「アントニ・ガウディの作品群」が世界文化遺産となった。
モンセラートへの旅に続いて、「世界文化遺産」となっているガウディの建築物を巡ってみて、それらには、カタルーニャの〝自然遺産〟が内包されているということが実感できた。
旅のインフォメーション
交通/成田からバルセロナまで欧州主要都市などを経由して約16時間
時差/日本より8時間遅い(夏時間は7時間遅い)
ビザ/観光目的なら90日以内は不要
気候/温和な地中海性気候
問い合わせ/www.spain.info(スペイン政府観光局)
出典:「旅行読売」2019年5月号(「たびよみ」転載にあたって大幅に増補しました)
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