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映画「男はつらいよ」の山田監督、おなじみの出演者たちが語る「柴又」「寅さん」(1)

場所
> 葛飾区
映画「男はつらいよ」の山田監督、おなじみの出演者たちが語る「柴又」「寅さん」(1)

座談会に参加した、左から山田監督、倍賞さん、前田さん、佐藤さん

映画「男はつらいよ」第1作封切りから50年が過ぎ、20191227日には新作「男はつらいよ お帰り 寅さん」が全国公開された。

「寅さん」が「帰ってくる場所」である東京・柴又で同年11月2日に行われた特別座談会で、山田洋次監督、おなじみの出演者たちが吐露した「柴又」そして「寅さん」への思いをご紹介する。

柴又で「寅さんサミット」特別座談会

座談会は、開催5回目となる「寅さんサミット」の一環として行われ、山田監督、寅さんの妹・さくら役の倍賞千恵子さん、その夫・博役の前田吟さん、寅さんの弟分・源公役の佐藤蛾次郎さんが集まった。

50作では、「寅さん」こと車寅次郎の甥で小説家になった諏訪満男(吉岡秀隆)と、満男の初恋の人・イズミ(後藤久美子)の二人を軸に、シリーズの過去作の映像も最新の技術で取り込みながら、「寅さん」を取り巻いてきた、さくら、博ら登場人物たちの現在を描く。

左から満男、イズミ、さくら、博。「男はつらいよ お帰り 寅さん」©2019松竹株式会社
左から満男、イズミ、さくら、博。「男はつらいよ お帰り 寅さん」©2019松竹株式会社

柴又は「故郷よりも故郷的」(山田監督)、「自分の生きていく道ができたところ」(倍賞さん)

「皆さんは柴又にどんな思いをお持ちでしょうか」との司会者の質問に、山田監督は「僕にとって第二の故郷」と答え、さらに「故郷というのは、そんなに毎年帰れるわけじゃないけど、柴又には、毎年何度も帰ってきていて、それが50年間ずっと続いているんですから。故郷よりも故郷的な土地です」とも言う。倍賞さんにとっては「自分の生きていく道ができたところ」だ。

柴又は「第二のふるさと」(前田さん)、「やっぱり懐かしい」(佐藤さん)

前田さんも「第二のふるさと」だと言い、佐藤さんは「やっぱり懐かしい」としみじみ。

源公は、よく「寅さん」映画の中では、土手をころがった。

佐藤さんは「あれ、大変なんですよ。十何回もやり直したことがあって。若かったですから。今はもう75歳なんです」と言う。

第50作は、「5年も10年も前から」考えていた(山田監督)

50作となった、新作「男はつらいよ お帰り 寅さん」について、山田監督は、「5年も10年も前から」考えていたと語った。

そして、「(49作を)全部つなげると3日近くかかるんですよ。すごい長い長い映画をつくった。これを縮めたら50年の歴史が浮かび上がってくるんじゃないかと」考えたのが始まりだった、と振り返る。

50作をつくる、という話を初めて聞いた時のことを、倍賞さんは「わたしどうなるんですか」と言ったという。「さくらさんは、お亡くなりになった八千草薫さんと並んだ時に、(おでこが広いので)らっきょ型でやっていましたから。でも今はそういう髪型が出来なくなったので、どうしたらいいでしょうと」相談した。すると山田監督は「そのままでいいんだよとおっしゃった」。

倍賞さんは「源ちゃんが75歳なら、私は78歳ですから。そんななかでいなくなったお兄ちゃんを思いながら撮影に入っていきました」とも。

さくらの夫・博役の前田さんは「夢だと思いましたよ」と言う。「我々が、どうして歳をとってから出られるのかな、と思いました」

「でも、台本を読んで、なるほどなと思った」という前田さん。「49作目までは、緊張しまくって、熱を持って演じていました」と話す一方、「今回の撮影では、ホッとしたというか、楽しく演じられた」と言う。

オファーを受けたとき、佐藤さんは「源ちゃんやるしかないんだもん」と思った。「新作は寅さんと絡むシーンはないけどね。寅さんは源ちゃんを、愛があるからこき使うんですよね。どうでも良かったら相手にしないもん。相手にしてくれるから、源ちゃんうれしいんだもん」と回想する。

Writer

藤原善晴 さん

月刊「旅行読売」編集部に2019年12月まで勤務。現在読売新聞東京本社文化部。瀬戸内海が見晴らせる広島県安芸津町風早(現・東広島市)生まれ。レトロブームということもあり、最近は「昭和」という言葉に敏感に反応。また、故郷が「令和」の典拠となった万葉集ゆかりの地であるため、福岡県太宰府市、奈良県、富山県高岡市、鳥取県など各地の「万葉集」ゆかりのニュースにも目を光らせている。