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ボスニア・ヘルツェゴビナへの旅(5)巡礼者たちが集まるメジュゴリエ

場所
> メジュゴリエ
ボスニア・ヘルツェゴビナへの旅(5)巡礼者たちが集まるメジュゴリエ

ホテルや土産店が並ぶメジュゴリエの中心部

ボスニア・ヘルツェゴビナ南部の中心都市モスタルから南西へ約25㌔行くと、世界各国からカトリック信者が巡礼に訪れる町メジュゴリエがある。住民の多くはクロアチア人だ。

まだ社会主義体制下だった1981年6月、地元の6人の子供たちが山上で聖母マリアの出現を「目撃」し、メッセージを伝えられたとされ、「幻視者」として尊敬を集めている。聖母マリアの出現はその後も続いているとされる。現地では時折、「幻視者」が巡礼者と共に山に登り、聖母マリアに祈りを捧げている。

「幻視者」の一人とともに山に登り、聖母マリア像の回りで祈りを捧げる巡礼者
「幻視者」の一人とともに山に登り、聖母マリア像の回りで祈りを捧げる巡礼者
メジュゴリエのカトリック教会のミサには世界各国からの巡礼者が参加する
メジュゴリエのカトリック教会のミサには世界各国からの巡礼者が参加する

世界各地からの巡礼者のため、ホテルや土産店が営業

この件についてローマ教皇庁はいまだ調査中だが、巡礼者は世界各地から集まっている。それをあてこんで、街では多くのホテルが営業しており、建設中のホテルもあちこちで見た。

そんなホテルの一つに入り、レストランのテラス席に座った。ガイドのニコラさんに頼んで、牛肉のブツ切りや野菜をトマトベースで煮込んだ地元定番のスープを注文してもらった。昔、厳しい鉱山労働などに従事した人たちも、このスープで元気を回復したという。くりぬいたパンに入って出てきたが、ニコラさんは「パンに入れて出すのは、都会の流行の影響でしょう。しかし、スープの味は地元独特のものです」と言う。

牛肉や野菜をトマトベースで煮込んだ地元定番のスープ
牛肉や野菜をトマトベースで煮込んだ地元定番のスープ

かつて激しい内戦に苦しんだこの国の至る所で、にこやかな人々にもてなされた。観光客や巡礼者が増えれば、地元経済は潤っていくのは間違いない。平和な国家再建が前進していくことを祈るばかりである。

旅のインフォメーション

交通/成田空港から欧州主要都市などを経由して14時間~19時間程度でボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ空港、モスタル空港や、クロアチア・ドゥブロヴニク空港へ。

時差/日本より8時間遅い(サマータイム実施期間中は7時間遅い)

通貨/兌換マルカ

気候/温度は東京より低め。夏は平均20度前後で。朝夕は肌寒いことがある。冬は平均0度前後。

問い合わせ/ボスニア・ヘルツェゴビナ政府観光局(英語)http://www.bhtourism.ba/eng/

(出典:「旅行読売」20203月号)

Writer

藤原善晴 さん

月刊「旅行読売」編集部に2019年12月まで勤務。現在読売新聞東京本社文化部。瀬戸内海が見晴らせる広島県安芸津町風早(現・東広島市)生まれ。レトロブームということもあり、最近は「昭和」という言葉に敏感に反応。また、故郷が「令和」の典拠となった万葉集ゆかりの地であるため、福岡県太宰府市、奈良県、富山県高岡市、鳥取県など各地の「万葉集」ゆかりのニュースにも目を光らせている。