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北山珈琲店

場所
> 台東区
北山珈琲店

所狭しとコーヒー豆の麻袋が置かれた店内。豆の販売も行う

980円でも支持、「主役はコーヒー」の店

上野駅と入谷駅のほぼ中間、北上野交差点のほど近くに立つ。コーヒー通を自認する人たちが国内のみならず海外からも訪れる。

そのこだわりは徹底している。「待ち合わせ、商談、読書など、コーヒーを飲む以外での利用を固くお断り」して、30分ほどでの退店を求める張り紙を入り口に掲げている。コーヒー(980円~)以外のメニューはない。だから一見の客には必ず「表の張り紙をご覧になりましたか?」と尋ねる。

そこまでするのは、本当においしいコーヒーを味わってもらいたいという店主、北山斗見之(とみゆき)さんの一念から。仕入れた生豆は倉庫で寝かせ、最適の熟成期間を経て焙煎する。

北山珈琲店
下町の雰囲気にマッチしたウッディな外観
北山珈琲店
熟成オールドビーンズを使った「雅」。布ドリップで丁寧にいれる

「私の知識と経験のすべてを傾注して一杯ずつ心を込めていれています」と話す北山さんは柔和で腰が低い。「主役はコーヒー」なのだ。奥さんが1967年に始めた店を引き継ぎ、コーヒーメーカーの会社から転職。その後、現在のスタイルに。一般的な喫茶店の倍の値段でやってこられたのは、その信念とコーヒー を支持する客がいるからだ。

人気の「雅」(3000円)は熟成10年から20年の豆をブレンドした至高の品。濃厚な味わいも単なる「濃さ」ではない。深いコクとうま味。これがコーヒーなのか、という目から鱗(うろこ)の一杯だ。

文・写真/田辺英彦


北山珈琲店

住所:東京都台東区下谷1-5-1

交通:山手線上野駅入谷口または地下鉄日比谷線入谷駅から徒歩5分

TEL03-3844-2822

(出典 「旅行読売」2015年5月号)

(ウェブ掲載 2020年7月11日)

Writer

田辺英彦 さん

東京都大田区出身、埼玉県在住。旅行ガイドブック編集・執筆、出版業界誌執筆などを経てフリーランスに。東北・八幡平の温泉群と、低山ハイク、壊れかけたもの・廃れたものが好き。