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馬車道十番館

場所
> 横浜市
馬車道十番館

横浜の歴史薫るガス灯の刻印

今もガス灯(とう)が並ぶ横浜の馬車道、その1本西の路地にレンガ張りの馬車道十番館(ばしゃみちじゅうばんかん)がある。レトロな建物は意外にも昭和40年代築。地元のとんかつの老舗、勝烈庵(かつれつあん)の10番目の系列店として1967年に洋食の山手十番館ができ、その3年後に姉妹店として開業。外国の商館に番号を付けた昔に倣い、十番館と名付けた。

店内はファンが回る吹き抜け天井の下、アンティークな調度が置かれ、ステンドグラスや暖炉もあって、洋館に迷い込んだよう。1階の喫茶室、2階の英国風酒場、3階のフランス料理店、4・5階の宴会場と館内で分かれているのはどこか昭和を感じさせる。戦後、米軍の下士官(かしかん)専用クラブで学んだ〝伝説のバーテンダー〞金山二郎氏が2001年まで2階でバーテンをしていたそう。横浜の街を切り取った絵画や写真が飾られ、資料館のようでもある。

「収集家の先代は古いものを大切にしました。和洋折衷が横浜らしさであり、この店らしさ。雰囲気とメニューは変えてはいけないと思います」と古参のスタッフ、島内正敏さん。

代名詞と言える定番の洋菓子ビスカウトを始め、クリームソーダや生クリーム付きコーヒー、そして食器に記されたガス灯のマーク。横浜の歴史が混ざり合い、それを守る人たちがいて、ここにしかない居心地のいい懐かしさがある。

文・写真/福崎圭介

外観
5階建てのレンガ張りの建物
英国風酒場
2階の英国風酒場
ビスカウトほか
十番館プディングロワイヤルは赤レンガをイメージしたプリン。ブレンドコーヒー、手作りのビスカウト

馬車道十番館

住所:神奈川県横浜市中区常盤町5‒67

交通:京浜東北線関内駅から徒歩6分、またはみなとみらい線馬車道駅から徒歩3分

TEL:045-651-2621

(出典 「旅行読売」2020年8月号)

(ウェブ掲載 2020年12月10日)

 

 

旅行読売出版社「旅する喫茶店」2021年9月1日(水)発売 定価1430円(税込)

Writer

福崎圭介 さん

新潟県生まれ。広告制作や書籍編集などを経て月刊「旅行読売」編集部へ。編集部では、連載「旅する喫茶店」「駅舎のある風景」などを担当。旅先で喫茶店をチェックする習性があり、泊まりは湯治場風情の残る源泉かけ流しの温泉宿が好み。最近はリノベーションや地域再生に興味がある。趣味は映画・海外ドラマ鑑賞。

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