内ヶ巻駅【飯山線】
三角屋根の駅舎にしんしんと雪が降り積もる
新潟県小千谷市は錦鯉の生産が盛んで、養殖用のため池が点在する。降り積もる雪が豊かな水となり、ため池に注ぎ込んでいる。ため池と飯山線の列車を撮影しようと、内ヶ巻(うちがまき)駅に向かった。冬になると、ため池に張った氷の上に雪が降り積もり、美しい光景が見られるのだ。
内ヶ巻駅がある小千谷(おぢや)市では、新潟県全体の約45%の錦鯉が生産され、国内はもとより海外にもその名を馳せる。色とりどりの錦鯉が泳ぐ姿は、上越線小千谷駅近くの「錦鯉の里」で一年を通して見られる。
内ヶ巻駅の駅舎は、和田誠監督の映画にも登場した旧駅舎を1997年に改築したもの。三角屋根の駅舎は飯山線にいくつかあるが、周囲に山々が迫るのはここだけだ。日が暮れると、降りしきる雪と相まってメルヘンチックな光景を見せてくれた。
文・写真/越信行
飯山線は1929年に全線開業。内ヶ巻駅は1927年開業。内ヶ巻駅へは越後川口駅から飯山線普通列車で5分
(出典 「旅行読売」2018年1月号)
(ウェブ掲載 2021年1月4日)
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