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ひとり“極上宿”へ(2)

ひとり“極上宿”へ(2)

草津温泉・山本館の内湯

ひとり心落ち着く場所、美味しいと感じる料理、素敵と思える景色……そんな、自分好みの時間をのんびりと過ごせる宿こそ、自分にとって本当の「極上宿」。個性が光る魅力的な宿をバラエティー豊かに厳選しました。あなた好みの「極上宿」を見つけてください。


山本館

群馬・草津温泉のシンボル・湯畑を前にして立つ、江戸時代創業の老舗。現在の建物は大正時代に建てられ、2012年に国の登録有形文化財に登録された。床柱、欄干、天井など、客室をはじめ館内のあらゆる所に経年変化による美しい味わいを感じる。客室数は11で、中学生以下は泊まれない大人の宿。ひとり泊の場合は、温泉街に面した和室が基本になる。総ヒノキ造りの内湯にかけ流す源泉は、草津温泉の主要源泉の一つ・白旗の湯。空気に触れてエメラルドグリーン色を帯びた白濁の湯だ。

湯畑を見渡せる客室もある
湯畑を見渡せる客室もある

<問い合わせ>

山本館

TEL:0279-88-3244

 

華山

2016年、箱根の宮ノ下地区に開業した全6室の宿。和室5室とツイン1室からなり、いずれもひとり泊に対応し料金は同じ。全室から箱根の山々や早川渓谷を見渡せる。源泉は箱根十七湯で2番目に古い木賀温泉で、かつて徳川家への献上湯だった歴史もある。加水せず、内風呂と露天風呂にかけ流す。夕食は、アンチエイジングやデトックスを意識しながら洋食の要素も盛り込む会席料理で、三島の新鮮野菜や小田原の海鮮食材が中心。ジャズの流れるダイニングルームでとる。

源泉かけ流しの大浴場
源泉かけ流しの大浴場

<問い合わせ>

華山

TEL:0460-82-2750

 

休暇村リトリート安曇野ホテル

2020年4月、長野・大町温泉郷にオープンし、30ある客室はすべてモダンな雰囲気の和洋室。たき火とともに星空鑑賞を楽しめる星見暖炉や、屋外カウンターにイスが並ぶ陽だまりテラス&デッキ、ライブラリーなど、各所にのんびり過ごせる空間を用意している。温泉は、標高1450㍍の中房渓谷にある源泉2本から引湯したアルカリ性単純温泉で、男女別に大浴場と露天風呂がある。料理は地産地消を中心とした里山会席だ。早朝のヨガ体験も気持ちがいい。

たき火に心癒される星見暖炉
たき火に心癒される星見暖炉

<問い合わせ>

休暇村リトリート安曇野ホテル

TEL:0263-31-0874

 

粂屋

北国街道小諸宿の脇本陣だった建物を改装し、2019年に長野・小諸市に開業。切妻破風の玄関や中庭を巡る畳廊下など各所に歴史を感じ、加賀藩の家臣が定宿にしていた宿札も残る。客室は、中庭を眺める和室、土蔵を改装した和洋室、書院造りの和室など、全5室とも趣が異なる。柱や梁など歴史のあるものは残しつつ改築した。風呂は15時~22時の先着予約制(利用は45分単位)で、ほかに予約不要のシャワールームがある。金曜~日曜の限定営業だが、5人以上の予約であればほかの曜日も営業する。

中庭を中心に棟が取り囲む木造建築
中庭を中心に棟が取り囲む木造建築

<問い合わせ>

粂屋

TEL:0267-27-1482

 

ryugon

将棋の竜王戦の会場として使われるなど、新潟を代表する老舗、新潟・六日町温泉「龍言」が2019年にリニューアルオープン。約1500坪の広大な敷地内に点在する建物は、約200年前の庄屋や豪農の館を移築利用したものが多く、その一部は国の登録有形文化財に登録されている。大浴場は米蔵を利用した建物で、岩を配した露天風呂を併設。夕食は、伝統料理をベースにしたコース料理だ。郷土料理教室やスマートフォンを使ったセルフガイドツアーなど、滞在プログラムとして雪国の文化も体験できる。

古民家の古き良き風趣を楽しめる宿
古民家の古き良き風趣を楽しめる宿

<問い合わせ>

ryugon

TEL:025-772-3470

 

石花海 別邸 海うさぎ

6年前に静岡・稲取温泉にオープンした和モダンな宿で、イタリアのアンティーク家具も印象的。全24室とも畳敷きにベッドスタイルの和洋室で、海を一望する。ロビーラウンジや3階テラス、バーラウンジもおしゃれな雰囲気だ。7階に貸切露天風呂が四つあり、空いていれば無料で利用できる。伊豆七島を見渡す眺望と、かすかに聞こえる波音をBGMに湯あみしたい。姉妹館「石花海」の大浴場や露天風呂も利用できる。夕食は牛・豚のしゃぶしゃぶをメインに、伊豆の海の幸も味わえる会席料理だ。

石花海 別邸 海うさぎ 宿泊プランはこちらから。

海を見渡す和洋室
海を見渡す和洋室

<問い合わせ>

石花海 別邸 海うさぎ

TEL:0557-95-3911

 


(出典「旅行読売」2021年5月号)

(ウェブ掲載2021年5 月21日)

Writer

安部晃司 さん

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