ローカル線で行く! とっとり ひとり旅 ②
~山陰線・境線~1泊2日
出札窓口跡などがある、山陰最古の御来屋駅
コナン駅と明治期築の木造駅
翌日、倉吉駅から米子駅行きに乗車した。のどかな田畑の景色に心が和む。気動車はディーゼルエンジンのうなりを上げながら進む。
途中の由良駅の愛称は「コナン駅」。駅のある北栄町(旧大栄町)は世界各国で人気の漫画『名探偵コナン』の原作者・青山剛昌(ごうしょう)さんの出身地だ。駅構内などに『名探偵コナン』のキャラクターが装飾されている。
まんが王国とっとり「名探偵コナン列車」でいこう!
由良駅から先、線路はカーブが少なくなる。港町の赤碕を過ぎ、山陰最古の木造駅舎が迎える、御来屋駅に到着した。1902年に米子駅を経由し御来屋駅と境駅(現・境港駅)の間が山陰最初の鉄道として開業。駅は当時の姿をとどめ、ホームにある車掌車を改造した待合室も〝現役〞だ。
車窓右手にコバルトブルーの日本海、左手に別名「伯耆富士」の大山(だいせん)の雄姿を眺めているうちに米子駅に着いた。国鉄時代には山陰地方で唯一、鉄道管理局が置かれていた交通の要衝だ。白砂青松の弓ヶ浜と大山を望む山陰有数のリゾート温泉地・皆生温泉までは駅からバス20分ほどだ。
ぶらり! 御来屋駅&おすすめスポット
お魚センターみくりや
ぶらり! 米子駅&おすすめスポット
法勝寺(ほっしょうじ)電鉄線の客車
米子城跡
鬼太郎列車で「妖怪の町」へ
さて、気ままなひとり旅。「コナン駅」こと由良駅と山陰最古の木造駅舎の御来屋駅を通ってきて、境線にも乗りたくなった。山陰の鉄道発祥の地・境港は『ゲゲゲの鬼太郎』の作者・水木しげるさんの故郷である。境線の米子駅の別名は「ねずみ男駅」で、沿線のすべての駅に妖怪の名前がついているのが面白い。
そして、境線のもう一つの魅力は、鬼太郎列車。『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクターが描かれた列車が、境港へいざなう。
東に美保湾、西に中海に挟まれた弓ヶ浜を通る。米子駅から約45分で終点の境港駅(鬼太郎駅)に到着する。駅から続く水木しげるロードでは177もの妖怪ブロンズ像が出迎えてくれる。
境港駅の一つ手前の馬場崎町駅(キジムナー駅)の近くには、「山陰鐵道発祥之地」の記念碑がある。かつて旧境駅があった場所だ。「発祥の地」に立ち、とっとりひとり旅を締めくくった。
ぶらり! 境港駅&おすすめスポット
水木しげるロード
千代むすび酒造
©水木プロ
とっとり鉄道旅+α 便利!お得! 観光タクシープラン「山陰の旅」 2022年3月31日まで実施中
通常の3割引料金で利用できる、米子駅・皆生温泉発着の観光タクシープラン。5コースを用意。たとえば、路線バスでは回りにくい、花の名所「とっとり花回廊」や大山寺など大山の麓を巡る3時間コースは、小・中型1台1万1300円。施設の入場券割引などの特典付き。要予約(当日も可)。詳しくは米子市観光協会ホームページを参照。予約・問い合わせは米子市国際観光案内所 TEL:0859-22-6317/皆生温泉旅館組合 TEL:0859-34-2888