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【おうちで南極体験】教えて!添乗員さん 南極クルーズってどんなツアー? <第3回>

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> 南極
【おうちで南極体験】教えて!添乗員さん 南極クルーズってどんなツアー? <第3回>

南極クルーズ(南極探検)を無事に終えたことを証明する修了証。ワッペンは南極の海への飛び込み体験「ポーラープランジ」のサバイバー(!)に渡されるもの


<第3回>船は揺れるの? 体調を崩したら? 服装やチップはどうする?

これまでの【おうちで南極体験】シリーズを通して、南極の魅力を知れば知るほど、ツアーそのものに興味が湧いてきますね。船の中の様子はどんな感じ? どんなふうに過ごすの? 食事は? など、南極クルーズの素朴な疑問や、船の中での生活などについて、読売旅行の荒川久美子、樋口智恵、今野薫子が、実際の添乗経験をもとにお答えします!

南極クルーズ&オンライン説明会の詳細はこちらから。


実際に南極クルーズに添乗したスタッフによる座談会は終始なごやかに進行した


――クルーズ船は揺れますか? クルーズ初日に通るドレーク海峡は“世界で最も荒れる海域の一つ”って言われていますよね。船酔いがちょっと心配で……。

確かにドレーク海峡は荒れると言われていますね。でも2018年の船は、行きは揺れませんでしたし、帰りも少し揺れたかなという程度でした。年によって違うようで、17年は結構揺れたそうです。

船酔いに備えて、船には酔い止め薬を常備しています。ただ、外国製なので日本の方には強いかもしれません。船酔いが心配な方は、日本の酔い止め薬を持参することをおすすめしています。酔いがひどくて耐えられないという方がいて、注射を打ったという例も過去に一度だけあったそうです。注射は医師もあまりおすすめしないと言っていましたので、最終手段だと思ってください。


――医師が乗船していて、診てもらえると聞くと心強いですね。船酔いだけでなく、万一体調を崩した時も安心です。年によって揺れ方が違うというのは天候によるところも大きいということですよね。寝ている間に通り過ぎてくれたらありがたいです(笑)。

ツアー3日目、アルゼンチンのウシュアイアを出港するのは18時くらい。深夜0時くらいまでは瀬戸内海のような穏やかな内海を通るので、最初は全然揺れません。外海に出るのは深夜1時ごろなので、その前に眠ってしまうのが一番! クルーズ初日はなるべく早く寝ましょう。

客室一例(イメージ)


――なるほど。初日はまだ船にも慣れていないので、早めに寝るのがカギですね。クルーズというと正装してのパーティーを思い浮かべるのですが、みなさんドレスアップするのですか?

船会社によっては南極クルーズでも豪華客船と同様に、ドレスコードをフォーマルに指定しているところもあります。私たちのツアーでは、パーティーのための用意は特にお願いしていませんので、普通の服装で問題ありません。皆さん、ジャージとかルームウェアとか、本当にカジュアルです。ただ、船のクルーやスタッフは、ネクタイとワイシャツを着用しますので、パーティーの雰囲気はそれなりに楽しめると思います。


――正装するとなると荷物が増えるので、普段着でいいのは助かりますね。もうひとつ、チップは馴染みがないので、いつもマゴマゴしてしまうんです。いつ、誰に渡せばいいのですか?

クルーズの場合、例えば部屋を掃除してくれた、食事のサーブをしてくれたなど、その都度渡すのではなく、基本的に1日何ドルという目安があって、それを最終日にまとめて支払います。南極クルーズの場合、だいたい17ドル~20ドルです。日本人は金額に幅を持たせると迷う人が多いので、目安としてモデル金額をお伝えしています。そこからのプラスマイナスはお客様のお気持ち次第になります。クルーズの途中にチップを入れる封筒をお渡ししますので、その中にチップを入れて、チップ用のボックスに入れていただきます。現金ではなく、クレジットカードでの精算もできます。もし、お世話になった客室係に個人的に渡したいというのであれば、それは個別に渡してももちろんOKです。

船内での服装は過ごしやすいもので。フォーマルなどのドレスコードもない

参加者の約6割がおひとり様!

――もしツアーに行くとしたら、親を誘ってみようか、それとも一人で参加してみるのもいいかもと妄想しています。実際、一人で参加している人はいますか?

一人で参加している方は多いですよ。だいたい6割くらい。全体の参加者の男女比は、少し女性が多いかもしれないですが、ほぼ同じ。年齢層は60~70代が中心で、50代もいますし、これまでには30代の方がハネムーンでいらっしゃったケースも。過去には90代の参加者もいました。特に年齢の上限はなく、基本的に歩く時に杖を必要としなければ問題ありません。参考までに、お子さんは船のルールとして8歳未満は参加できません。身長1.2メートル、体重29キロ以上であり、かつ8歳以上16歳未満の場合は、親の同伴があれば参加できます。


――一人参加が6割というのは予想より多いですね。参加者同士は仲良くなるものなのですか?

はい。2、3日すると同部屋になった人同士で一緒に食事をするケースが多いです。もともと二人連れだった? というくらい、いつも一緒に行動される人たちもいます。もちろん、一人で行動するのが好きな方は単独で行動していますので、過ごし方はそれぞれですね。

南極クルーズを陰で支える添乗員は南極に関する情報収集や勉強を欠かさない


――一人で参加する場合、同部屋というのが心配で……。もし、同じ部屋の人と合わなかったら辛くないですか?

そうですよね。そこは皆さん、気になるところだと思います。ただ、終日航海の日も講座やイベントがあり、南極に着けば、午前も午後も船外活動になりますので、部屋にいる時間は本当に少ないです。食事もテーブルが決まっているわけではないので、同部屋の人と必ず一緒でないといけないということはありません。また、ラウンジや図書室などの公共スペースもあるので、そこで過ごしている方も多くいらっしゃいます。これまでの経験からいっても、部屋にこもって過ごしているという方は、ほとんどいませんね。「部屋にいるのは寝るときくらいね」と言っていたお客様がいるくらいでした。

――寝る時だけ、と思えば気は楽ですね(笑)。もしかしたら、とても気の合う人と知り合うかもしれないですしね。


(了)

今回の南極添乗員座談会でたっぷり語ってくれた読売旅行の添乗員。左から今野薫子、荒川久美子、樋口智恵


Writer

たびよみ編集部 さん

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