【祝・世界遺産登録】国内のユネスコ世界遺産
国内の世界遺産は「自然」5件、「文化」20件に
世界遺産とは、過去から引き継ぎ、未来へと伝えていかなければいけない人類共通の宝物。ユネスコ(国連教育・科学・文化機関)で1972年に採択された世界遺産条約(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)に基づき、「世界遺産リスト」に登録された物件のことだ。文化遺産、自然遺産、複合遺産(両方の価値を兼ね備えているもの)に分類されるが、「顕著な普遍的価値」を持っていることが絶対条件となる。
登録されるには、各国が自国の遺産をユネスコ世界遺産センターに推薦することから始まる(暫定リストの提出)。その後、その遺産の価値や管理体制について、諮問機関(文化遺産であれば、国際記念物遺跡会議=ICOMOS、自然遺産であれば、国際自然保護連合=IUCN)が学術的に審査を行い、世界遺産としての価値を認めれば、世界遺産委員会に勧告。この勧告を受けて、同委員会が登録の可否について最終的な判断を行う。一度世界遺産に登録されても、管理体制がおろそかで「顕著な普遍的価値」が失われたとみなされれば、世界遺産リストから抹消されることもある。
2020年はコロナ禍により世界遺産委員会が開かれなかったが、2021年は7月にオンラインで開催され、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が日本で5件目の世界自然遺産として、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が日本で20件目の世界文化遺産として登録された。
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※上記地図の番号は以下のとおり
日本の世界自然遺産(5件)
(1)屋久島【鹿児島県】
(2)白神山地【青森県、秋田県】
(3)知床【北海道】
(4)小笠原諸島【東京都】
(5)奄美大島、徳之島、沖縄島本島北部及び西表島【鹿児島県、沖縄県】←NEW!
日本の世界文化遺産(20件)
(1)法隆寺地域の仏教建造物【奈良県】
(2)姫路城【兵庫県】
(3)古都京都の文化財【京都府、滋賀県】
(4)白川郷・五箇山の合掌造り集落【岐阜県、富山県】
(5)原爆ドーム【広島県】
(6)厳島神社【広島県】
(7)古都奈良の文化財【奈良県】
(8)日光の社寺【栃木県】
(9)琉球王国のグスク及び関連遺産群【沖縄県】
(10)紀伊山地の霊場と参詣道【奈良県、和歌山県、三重県】
(11)石見銀山遺跡とその文化的景観【島根県】
(12)平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群【岩手県】
(13)富士山―信仰の対象と芸術の源泉【山梨県、静岡県】
(14)富岡製糸場と絹産業遺産群【群馬県】
(15)明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業【福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、山口県、岩手県、静岡県】
(16)ル・コルビュジエの建築作品―近代建築への顕著な貢献―【国立西洋美術館=東京都】
(17)「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群【福岡県】
(18)長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産【長崎県、熊本県】
(19)百舌鳥・古市古墳群―古代日本の墳墓群―【大阪府】
(20)北海道・北東北の縄文遺跡群【北海道、青森県、秋田県、岩手県】←NEW!
(旅行読売2021年7月号の記事を再編集)
(WEB掲載:2021年8月10日)