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いわての旅 錦秋の名湯・八幡平へ

場所
> 八幡平市、雫石町、花巻市
いわての旅 錦秋の名湯・八幡平へ

紅葉の名所として知られる岩手県八幡平周辺は、多様な木々が頂から麓までを赤や黄色に埋め尽くす。
温泉情緒あふれる乳白色の湯に身を預け、錦に染まる岩手の秋に浸りたい。

温泉情緒あふれるにごり湯につかり、紅葉を愛でる

「紅葉と温泉」は誰もが憧れる秋旅。岩手・八幡平周辺はその組み合わせを楽しめる北東北屈指の魅惑の秋旅エリアだ。

今年の紅葉はよさそうですか? 何の気なしに聞いた言葉に、松川温泉・峡雲荘の主人、髙橋俊彦さんは笑顔でこう答えた。

「八幡平の紅葉はね、毎年見事なんですよ。寒さがピリッとする頃になると、とても鮮やかに色づきます。八幡平の山頂あたりから麓まで順々に色づくので、ひと月にわたり、どこかで必ず紅葉の盛りを楽しめますよ」。例年、9月中旬に山頂から色づき始め、松川温泉付近は10月中旬に見頃を迎える。

八幡平紅葉
渓流を美しく彩る八幡平の紅葉(写真は松川渓谷)

錦秋の八幡平を巡るには、ドライブ旅がいい。盛岡駅からならレンタカーが便利だ。国道282号で北上し、道の駅にしねでひと休み。その先を左折して山裾へ上れば、ほどなくして荒々しい焼走り熔岩流に着く。優美な岩手山とは対照的に、砕けた溶岩を踏みしめる乾いた音が印象的だ。

焼き走り
荒涼とした眺めが魅力の焼走り熔岩流にも立ち寄りたい

目指す松川温泉は松川の渓流に沿った林の中にあり、4軒の宿が静かに湯けむりを上げる。

髙橋さん曰く、「ここ(峡雲荘)は標高875メートル。モミジ、ダケカンバ、ブナ、ナラ、ナナカマドなど木の種類が多い。だから、赤も黄色も、すべての色があるんですよ」

そしてもう一色。露天風呂で紅葉と競演するのは青みがかった乳白色の硫黄泉。「すぐに錆びてしまってシャワーも設置できないほど、温泉の成分が濃い」と、自慢の湯の肌触りを確かめながら語る髙橋さん。硫黄の香り漂うにごり湯が紅葉の温泉旅を一層引き立てる。

周辺はハイキングルートも整備され、紅葉散策も楽しい。「登山者が身につけた熊鈴の『カラン、カラン』という音があちらこちらから聞こえてきて、それがまた趣深くていいんです」

県内には網張(あみはり)、鶯宿(おおしゅく)、大沢など紅葉の名湯が点在する。錦絵のような絶景と温泉に浸る「いわての旅」に出かけよう。

峡雲荘 高橋さん
峡雲荘の主人・髙橋俊彦さん。「連泊して日中にのんびり温泉を楽しむ方も多いですよ」
峡雲荘外観
【松川温泉 峡雲荘】岩手山の西の山あいにたたずむ。紅葉を愛でる露天風呂は混浴と女性専用の二つ。やや青みがかった乳白色の硫黄泉と周囲の紅葉とのコントラストは息をのむ美しさ。1泊2食1万2250円~/TEL:0195-78- 2256

ちょっと立ち寄り! 八幡平市の味どころ

道の駅にしね

東北道西根ICのすぐ近く。レストランでは地元の食材を用いた料理が好評。柔らかな身の「杜仲茶ポークのカツ定食」1100円、八幡平特産のほうれん草をたっぷり使い、濃厚な辛さとココナッツミルクの香りが魅力の「ほうれん草カレー」850円がおすすめだ。

レストラン11時~16時LO、無休/TEL:0195-75-0070

道の駅にしね
杜仲茶ポークのカツ定食
道の駅にしね
ほうれん草カレー

松川温泉までのアクセス

列車=東北新幹線盛岡駅からバス1時間50分

車=東北道西根ICから岩手山パノラマライン経由20キロ

【観光の問い合わせ】八幡平市観光協会 TEL:0195-78-3500

必ず行きたい! いわての紅葉温泉

網張温泉 【雫石町】

開湯1300年、岩手山南西麓に湧く。硫黄泉が魅力で、宿は休暇村岩手網張温泉の一軒のみ。内湯、露天風呂など多彩な湯船から紅葉を望む。網張温泉発祥の地に立つ日帰り温泉施設「網張温泉館・薬師の湯」も人気だ。紅葉の見頃は9月下旬~10月上旬。休暇村岩手網張温泉 TEL:019-693-2211

休暇村岩手網張温泉
休暇村岩手網張温泉

鶯宿温泉 【雫石町】

天正年間(1573 ~ 1592)の発見と伝わる温泉場。鶯宿川の渓谷に沿ってホテルや旅館、民宿など20軒ほどが点在する。紅葉の見頃は10月中旬~下旬。しずくいし観光協会 TEL:019-692-5138

鶯宿温泉
鶯宿温泉の温泉街

大沢温泉 【花巻市】

花巻市街から車で30分、渓流を彩る紅葉が見事な一軒宿。近代和風の山水閣や200年以上前に建てられた湯治屋が連なる。写真は山水閣の半露天風呂・豊沢の湯(10月下旬以降の冬場は防寒のためガラス戸あり)。紅葉の見頃は10月下旬~11月上旬。大沢温泉 TEL:0198-25-2021

大沢温泉
大沢温泉

岩手県の観光に関する問い合わせ

岩手県観光協会 TEL:019-651-0626 「いわての旅」

 

(出典「旅行読売」2021年10月号)

(ウェブ掲載 2021年9月21日)

Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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