十麺十色 全国ご当地うどん「水沢うどん」と「ひもかわうどん」(群馬)
大澤屋の「楓(かえで)」は、ざるうどんにマイタケの天ぷらが付いている
喉越しのよい水沢うどん
太麺のうどんを入れた具だくさんの郷土料理「おっきりこみ」をはじめ、群馬は昔からうどんを常食する習慣があった。
水沢うどんは、讃岐、稲庭と並び、日本三大うどんの一つにも数えられ、約400年前に水沢観音(水澤寺)を参詣する旅人に振る舞ったのがルーツといわれる。
水沢うどんは、水沢山の伏流水を使っていることが特徴で、現在は水沢うどん商標登録店組合加盟の13軒が、「水沢うどん街道」と呼ばれる県道15号沿いに集まっている。街道沿いに第一と第二店舗を構える大澤屋は、強いコシ、麺の透明感、喉越しのよさが特徴。大澤屋の広報担当者は、「粉を練り、生地を寝かせ、切るまで27工程を2日間かけて作ります」と話す。塩水(えんすい)も2日間かけて作り、加える塩分量は季節や気候に合わせて調整。毎朝、試食してうどんの出来を確認する。
打ちたて、ゆでたてのうどんは、小麦粉本来の風味があり、もちっとした食感だ。毎朝作るつゆは、深みがあるが爽やかで、喉越しとともに味わう香りが絶品だ。
圧倒的な存在感のひもかわうどん
一方、桐生のひもかわうどんは、きしめんのルーツといわれる愛知県の芋川うどんが由来という説が有力で、「いもかわ」が訛なまったものという。幅広の麺が特徴だが、とりわけふる川は、その大きさで他を圧倒している。店長の古川聡さんは「元は今ほど大きくはなく、父(社長)がどんどん大きくしていきました」と打ち明ける。幅9センチ、長さ19センチ前後の麺(?)はインパクト大。「麺棒で厚さを均等に延ばすのに気を配ります」と、製麺を担当する岡部一男さんは話す。
厨房では、古川さんの母、由美子さんが、気温などでゆで時間を考慮しつつゆで上げる。1人前7枚は、生麺の状態で220グラム〜250グラムある。適度に折り畳み、だしにたっぷりつけて口に運ぶと、コシがあり、ほのかな甘みもある。もちもちっとした食感は癖になる味わいだ。
店舗情報
大澤屋 第一店舗
1970年に創業し、現在は大型駐車場を備えた第一、第二店舗のほか、伊香保温泉に石段店、食の駅伊香保内にカレーうどん専門店游喜庵の4店舗がある。
■10時~16時(変動あり)/第1・3木曜休(変動あり)/イス、座敷など300席/渋川市伊香保町水沢125-1/TEL:0279-72-3295
【 取り寄せ情報】https://www.osawaya.co.jp/
めん処酒処ふる川 暮六つ 相生店
東武桐生線相老駅から徒歩5分、県道に面して立つ。桐生駅前のパークイン桐生にも夜営業の店舗がある。
■11時~14時、17時30分~21時30分/月曜休(祝日の場合は翌日休)/イス、座敷(掘りごたつ)など56席/桐生市相生町2-735-15/TEL:0277-47-8190
【 取り寄せ情報】http://himokawa.jp/
(旅行読売2021年10月号より)
(WEB掲載日:2021年11月16日)