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【鉄印帳の旅】樽見鉄道

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【鉄印帳の旅】樽見鉄道

濃尾平野の西端を流れる揖斐(いび)川。その支流である根尾川沿いを走る樽見鉄道を巡った。

もともと福井県大野を経て金沢まで結ぶ計画だったが、国鉄時代に開業したのは美濃神海(みのこうみ)駅(現神海駅)まで。主に本巣駅近くのセメント工場からの貨物輸送を主体としていた。1984年に第三セクターへ経営が移管され、89年に現在の樽見駅までが延伸開業した。

 

谷汲山華厳寺
谷汲山華厳寺

大垣駅の6番線から、水色の列車でまずは終点を目指す。住宅地を抜けセメント工場が近づくと、車窓に根尾川が見え隠れする。根尾川に架かる計10本の鉄橋を渡ってほどなく樽見駅に到着した。春には見事な花を咲かせる根尾谷淡墨ザクラのある公園を散策してから再び列車で谷汲口(たにぐみぐち)駅へ戻る。

 

水月亭の釜飯
水月亭の釜飯

ここからコミュニティバスに乗り、西国第三十三番満願霊場の谷汲山華厳寺(たにぐみさんけごんじ)へ。総門、仁王門を抜け、杉木立に囲まれた本堂で参拝を済ませ、サクラ並木の参道を下る。かつて名鉄が走っていた旧谷汲駅へ。谷汲線で最後まで活躍していた車両と駅舎内の昆虫館を見学。近くにある水月亭で昼食に釜飯(1100円)を食べた。

大垣駅へ戻る前に鉄印がもらえる本巣駅で下車。窓口営業中であれば遅い時間でも受け付けしてもらえるので、行程も組みやすい。鉄印は社章のほか、観光列車ねおがわ号の鮎形のつり革と淡墨ザクラのスタンプが押される。デザインを考案した企画営業課の清水弘樹さんは「紙で渡すだけではなく、手間をかけることで沿線の魅力が印象に残ってほしい」と話す。サクラが咲き誇る春になったら、樽見鉄道を再び訪ねてみたい。

 

樽見鉄道の鉄印
樽見鉄道の鉄印

鉄印帳の販売・鉄印の記帳は本巣駅窓口にて、5時30分(始発)~23 時20分(終車)
鉄印帳2200円/鉄印の記帳料300円(乗車券の提示が必要)
TEL:0581-34-8039

(2021年「旅行読売12月号」より)

(WEB掲載:2021年12月28日)

 




Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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