七光台駅【東武野田線】
色鮮やかなサツキに誘われ途中下車
東武アーバンパークライン(※)沿線を探訪しようと大宮駅東端のホームへ向かった。列車は、出発してほどなく広大な見沼(みぬま)田んぼを横切り、春日部(かすかべ)駅を過ぎ単線区間へ入る。大落古利根川(おおおとしふるとねがわ)、中川、江戸川の鉄橋を渡る。駅周辺の緑がひときわ目を引く七光台(ななこうだい)駅に着いた。
エメラルドグリーンのラインが際立つ橋上駅舎は、2007年に改築されたもので、東口駅前は雑木林に囲まれ、西口駅前では5月下旬にサツキが咲き誇る。かつては利用客の少なさから〝野田線の秘境〟と呼ばれていたが、つくばエクスプレスの開業による都心からのアクセス向上や駅周辺の整備により、にぎわいは増しつつある。
駅を出て南に行くと野田市総合公園が見えてくる。園内では6月に見頃を迎えるというハナショウブが咲き始め、眩(まばゆ)い緑に彩りを添えていた。
文・写真/越信行
※「東武アーバンパークライン」は愛称で、正式名称は「東武野田線」
東武野田線は1930年全線開業、七光台駅は1968年開業。七光台駅へは大宮駅から35分
(出典 「旅行読売」2019年5月号)
(ウェブ掲載 2022年1月3日)