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イノダコーヒ本店(京都)【旅する喫茶店】

場所
> 京都市
イノダコーヒ本店(京都)【旅する喫茶店】

イノダの原点といえる席。本店にはほかにもシックな欧州のカフェを思わせる席やガーデン席もある

 

豆の卸売りから始まった愛らしい店

堺町通沿いに店を構えるイノダコーヒ本店は、1940年から戦前にかけてコーヒー豆など輸入食品の販売を行っていた初代社長の猪田七郎(いのだしちろう)さんが、「コーヒーに親しんでもらいたい」と戦後すぐの1947年に開業したコーヒーショップだ。

創業時からネルドリップでいれるコーヒーは、モカベースの深煎り豆を1人前15グラムと多めの量で抽出し、しっかりとしたコク。純度の高い濃厚な生クリームを使ったミルクや砂糖を加えると、味に厚みが増して満足度の高い一杯に。京都の旦那衆や女優らを魅了する人気店となり、現在は京都を中心に計9店を展開する。

「初代から受け継ぐおいしさへのこだわりはスイーツや料理にも及びます」と同店営業部の国本信夫さん。東京・銀座のドイツ料理店の名シェフ、カール・ケテルさんからレシピを継承したケーキ、地元の「進々堂(しんしんどう)」のパンを使ったサンドイッチなどは、コーヒーの味をさらに引き立てる。

ギンガムチェックのテーブルクロスや赤い革張りのイスがペンキ塗りの白壁に映える、創業当時からのレトロな空間も本店の魅力だろう。11時までは特注ボンレスハムなどが付く豪華なモーニング「京の朝食」1600円もあり、この店から朝の京都を歩き始めるのもいい。


文・写真/児島奈美

外観
町家に溶け込むしゃれた外観
マーク
イノダの獅子マーク
コーヒー
レモンパイの濃厚なレモンクリームがアラビアの真珠(コーヒー)に合う

イノダコーヒ本店

住所:京都府京都市中京区堺町通三条下ル道祐町140

交通:地下鉄烏丸線・東西線烏丸御池駅から徒歩10 分

TEL:075-221-0507

(出典:「旅行読売」2022年6月号)

(WEB掲載:2022年5月29日)


Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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