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【青春18きっぷ】勇退間近のSLで「銀河鉄道」の世界を体感(2)

場所
> 釜石市、遠野市
【青春18きっぷ】勇退間近のSLで「銀河鉄道」の世界を体感(2)

ガス灯風の照明やステンドグラス、植物のパーテーションなど、車内は宮沢賢治が生きた時代の世界観を表現

 

黒煙たなびくSLに乗って、めがね橋を渡る

勇退間近のSLで「銀河鉄道」の世界を体感(1)より続く

再びSLで遠野駅を出発。車内にはソファが置かれたSLギャラリーや、賢治関連の展示スペースがあり、車内散策も楽しい。1号車に設置されるプラネタリウムでは、まさに銀河鉄道に乗っているような映像ショーが見られる(各回10分。当日配布の整理券必要)。

車窓はやがて北上川の支流、猿ヶ石川の渓谷風景へ。宮守駅に着く直前(14時24分頃)、釜石線最大の名所、宮守川橋梁(きょうりょう、通称めがね橋)を渡る。右側の景色がぱっと開け、車内に歓声が上がった。大正時代に建設された、釜石線の前身の岩手軽便鉄道時代の石組みの橋脚が、橋を見守るように残る。

北上川を渡り、15時19分、終点の花巻駅に到着。5時間という所要時間が短く感じるほどの、充実したSL旅であった。

なお、SL銀河は2023年春で引退するが、日本三景の松島から三陸の海岸線をたどり、民話の里・遠野を訪ねるこのコース自体は鉄道旅の魅力が詰まっている。SLがなくなっても、ぜひ青春18きっぷで訪ねてみてほしい。

 

文・写真/谷崎 竜

SL銀河の機関車は1940年製のC58形、通称「シゴハチ」(写真/JR東日本)
釜石線陸中大橋駅付近を走行中
車内で販売している駅弁、SL銀河帆立(ほたて)おこわ弁当1350円

●モデルコース

【1日目】

仙台

↓ 7:33発 仙山線石巻行き

松島海岸

↓ 8:12着/9:37発 仙山線高城町行き

高城町

↓ 9:41着/9:49発 仙山線石巻行き特別快速

石巻

↓ 10:14着/10:36発 石巻線小牛田行き

前谷地

↓ 10:55着/10:59発 気仙沼線柳津行き

柳津

↓ 11:21着/11:47発 BRT気仙沼行き

気仙沼

↓ 13:36着/13:43発 BRT盛行き

奇跡の一本松

↓ 14:16着/15:39発 BRT陸前高田行き快速

陸前高田

↓ 15:45着/15:51発 BRT盛行き

↓ 16:36着/16:49発 三陸鉄道釜石行き

釜石 17:36着

【2日目】

釜石

↓ 9:57発 釜石線花巻行きSL銀河

遠野

↓ 11:46着/13:53発 釜石線花巻行きSL銀河

花巻

↓ 15:19着/15:40発  東北線一ノ関行き

一ノ関

↓ 16:31着/16:39発 東北線小牛田行き

小牛田

↓ 17:26着/17:31発 東北線仙台行き

仙台 18:18着

※時刻は2022年5月現在のものです。
※土曜、休日用ダイヤ。


(出典:「旅行読売」2022年7月号)

(WEB掲載:2022年8月29日)


Writer

谷崎 竜 さん

旅行ライター。1969年、名古屋生まれ。千葉大学理学部を卒業後、バックパッカーで世界五大陸を放浪。帰国後、旅専門のフリーライター・カメラマンとして活動する。著書に「のんびり各駅停車」(講談社)、「青春18きっぷパーフェクトガイド」(イカロス出版)など多数。

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