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【47都道府県自慢の秋絶景】関東編

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【47都道府県自慢の秋絶景】関東編

低農薬で育ったバラを摘みブーケにして持ち帰る体験も(写真/いばらきフラワーパーク)

いばらきフラワーパーク(茨城県石岡市)

県花のバラが里山を背景に咲き匂う

「常陸国風土記(ひたちのくにふどき)」に記されたとおり、茨城郡(うばらきのこおり)の名の由来となったのは茨(うばら=野バラ)だ。常陸国の国府が置かれた石岡市にある同園は、昨年4月にリニューアル。12ヘクタールの園内で見られるバラは約900品種で、なかでも秋バラは色が深く香りもいい。香りが立つ早朝に訪れ、バラテラスにあるウッドデッキからバラ越しに里山を一望したい。

●ベストシーズン 10月中旬~11月下旬

9時~17時(12月~2月は~16時)/火曜(祝日の場合は翌平日)休、12月31日~1月1日休/900円(バラシーズンは1200円)

常磐線石岡駅からバス30分、フラワーパーク前下車すぐ/常磐道土浦北ICから12キロ

いばらきフラワーパーク TEL:0299-42-4111


いろは坂(栃木県日光市)

いろは坂の標高差は400㍍以上。カエデやナナカマドの紅葉も場所により見頃が異なる

48か所のカーブを描く絶景ドライブコース

急カーブを何度も曲がると、日光連山の紅葉が目に焼き付くよう。日光市街と中禅寺湖を結ぶ道路は、上り専用の第二いろは坂と下り専用の第一いろは坂を合わせ全長16キロ。男体(なんたい)山の山岳信仰に起源を持つ坂を上り切れば、中禅寺湖の北に男体山。「われもし山頂にいたらざれば、菩提(ぼだい)にいたらず」として勝道(しょうど う)上人が開山したのは、782年のことだ。

●ベストシーズン 10月中旬~下旬

日光線・東武日光線日光駅からバス45分、明智平下車すぐ/日光宇都宮道路清滝ICから5キロ(馬返し)

日光市観光協会 TEL:0288-22-1525


宝徳寺 床もみじ(群馬県桐生市)

境内のモミジは100本以上。今年の「秋の床もみじ特別公開」は10月20日~11月30日

上州の禅寺で幻想的な床もみじを観賞

漆塗りの床板に、真紅のモミジが映り込む。関東百名山の鳴神(なるか み)山を望み、山あいの閑静な地に立つ禅寺は、室町時代に創建された。28畳の板の間がある本堂は禅宗方丈様式で、華美さを排した質素な造り。襖(ふすま)の水墨画も枯山水の庭も、紅葉をひときわ鮮やかに見せている。境内に地蔵の小道があり、深まる秋景色の中で手を合わせれば、ほんのり心が温まる。

●ベストシーズン 11月中旬

9時~15時45分(10月20日~11月11日は~16時)/1200円(10月20日~11月11日は800円)

両毛線桐生駅からバス25分、宝徳寺入口下車徒歩2分/北関東道太田桐生ICまたは伊勢崎ICから20キロ

宝徳寺 TEL:0277-65-9165(床もみじ特別公開に関してはホームページ参照)


鴻巣市のコスモス(埼玉県鴻巣市)

全長1100㍍の荒川水管橋と夕焼けを背景にしたコスモス畑。遠くに富士山が見えることも

花き生産地のコスモスが荒川を縁取る

風に揺れるコスモスは1000万本。コスモス畑の向こうで日本最長の荒川水管橋(すいかんきょう)が弧を描き、遠くに秩父の山並みが続く。埼玉県のほぼ中央にある鴻巣市は、プリムラやサルビアなどの出荷量日本一を誇る、国内有数の花の生産地。秋の花景色は、「コスモスアリーナふきあげ」周辺の荒川河川敷に広がる。ピンク、白、オレンジ、淡い黄色と彩りも豊かだ。

●ベストシーズン 10月中旬~下旬

見学自由  交高崎線吹上駅からバス10分、コスモスアリーナふきあげ下車すぐ/関越道東松山ICから10キロ

鴻巣市商工観光課 TEL:048-541-1321


大山千枚田「棚田のあかり」(千葉県鴨川市)

「日本の棚田百選」の一つ。棚田を彩る4色のLEDライトは15分ごとに色が変化する

懐かしい里山風景と四季を映し出す棚田

橙、青、緑、紫。4色の光がきらめき、夜の棚田に曲線を描く。県内最高峰の愛宕(あたご) 山の麓(ふもと)、標高90~150㍍に位置する大山千枚田は、急傾斜地に大小375枚の田んぼが連なっている。ため池や水路はなく、800年前から雨水のみで耕作し続ける日本唯一の天水田(てんすいで ん)である。稲刈りを終えた棚田に明かりが灯り、昔ながらの里山を季節が巡っていく。

●ベストシーズン 10月下旬~1月上旬

「棚田のあかり」は10月下旬~1月上旬の17時頃~20時頃 /無料

外房線安房鴨川駅からバス30分、釜沼下車徒歩15分/富津館山道路鋸南富山ICから15キロ

大山千枚田保存会 TEL:04-7099-9050


明治神宮外苑いちょう並木(東京都港区)

聖徳記念絵画館に近づくほど、イチョウの樹高は低くなる(写真/ピクスタ)

首都の晩秋を象徴する4列イチョウの黄葉

いつか観た映画やドラマのワンシーンが思い浮かぶ並木道だろう。国道246号(青山通り)から聖徳(せいとく) 記念絵画館に向かってのびる300メートルの通りに、4列のイチョウが整然と並び、左右対称の洗練された美観を生んでいる。1923年に植栽された146本のイチョウは、周辺で再開発計画が進む中、今年の秋も黄金色のトンネルを作る。

●ベストシーズン 11月中旬~12月上旬

地下鉄銀座線・半蔵門線外苑前駅または青山一丁目駅から徒歩5分/首都高速4号新宿線外苑出口からすぐ

明治神宮外苑総務部 TEL:03-3401‐0312


仙石原すすき高原(神奈川県箱根町)

秋が深まるにつれてススキの穂が開く。「かながわの景勝50選」にも選ばれ、夕暮れ時は幻想的

夕日に輝くススキは箱根を代表する秋景色

2万年前には箱根火山のカルデラ湖の一部であった仙石原高原。すすき草原は台ヶ岳の北西斜面に広がり秋風に波打つススキの向こうに金時山(きんとき)や丸岳の山々が見晴らせる。ススキは茅葺(かやぶ き)屋根の材料にするため、ここで育てられていたという。散策路である700㍍の一本道を歩いていると、銀色や黄金色に輝くススキの穂波が、遠い昔へと誘うようだ。

●ベストシーズン 10月上旬~11月中旬

見学自由  箱根登山鉄道箱根湯本駅からバス30分、仙石高原下車すぐ/東名高速御殿場ICから13キロ

箱根町観光課 TEL:0460-85-7410


勝沼のぶどう畑(山梨県甲州市)

扇状地である勝沼地区はブドウ栽培に適した環境。品種によって紅葉の度合いは異なる

生産量に日本一の日本ワインの里が秋色に

勝沼ぶどう郷駅に降り立つと、平地から急斜面まで広がるブドウ畑、遠くに南アルプスが一望できる。甲府盆地の東縁にあり、ワイナリーが点在。晩秋にはブドウの葉が赤や黄色に色付き、畑ごとに濃淡を描く。甲州市勝沼町を含む山梨県峡東地域は世界農業遺産に認定された。先人から受け継がれてきた一面のブドウ畑が歴史を物語る。

●ベストシーズン 10月下旬~11月下旬

見学自由/中央線勝沼ぶどう郷駅下車/中央道勝沼ICから4キロ(勝沼ぶどう郷駅)

甲州市観光協会 TEL:0553-32-2111

 

(出典:旅行読売出版11月号)

(Web掲載:2022年10月26日)


Writer

たびよみ編集部 さん

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