駅舎のある風景 弥彦駅【弥彦線】
彌彦神社を模した建物の朱色の柱がまぶしい
上越新幹線燕三条(つばめさんじょう)駅から接続する弥彦(やひこ)線に乗り、終着の弥彦駅へ向かった。
列車の左右車窓に広がる越後平野の田んぼの先に、弥彦山は忽然(こつぜん)とそびえている。日本三彦山の一つに数えられる弥彦山の麓には、「おやひこさま」と呼ばれ親しまれてきた越後一宮の彌彦神社があり、弥彦山を神体山としている。弥彦線は、この彌彦神社への参宮鉄道として、越後鉄道によって敷設された。
単線ホーム脇の駅舎は、彌彦神社社殿を模した1916年開業当時の建物。2013年に改修が施された朱色の柱が、秋晴れの青空に映える。
紅葉が鮮やかな弥彦公園もみじ谷を抜け、さらに歩いて行くと、荘厳な空気に包まれた彌彦神社が見えてきた。
参拝後、ロープウェイに乗り弥彦山山頂へ上ると、日本海やオレンジ色に染まった田んぼが眼下に広がっていた。
文・写真/越 信行
前身の旧越後鉄道の弥彦線の一部と、弥彦駅は1916年開業。上越新幹線燕三条駅から普通列車で約30分
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(出典:「旅行読売」2021年10月号)
(Web掲載:2023年3月17日)