たびよみ

旅の魅力を発信する
メディアサイト
menu

【道の駅へドライブ】道の駅 したら

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 愛知県
> 設楽町
【道の駅へドライブ】道の駅 したら

木のぬくもりあふれる、道の駅したらの外観。裏手には寒狭川が流れる

 

森と川の恵みに育まれた、奥三河の歴史と食に出合う

豊川、矢作(やはぎ)川、天竜川と三大水系の水源を持ち、敷地面積の9割を森林が占めるという水と森の里、奥三河の設し た楽ら 町に、2021年5月、町で三つ目の道の駅、したらがオープンした。豊川の上流部、寒狭(かんさ)川のほとりに立つ美しい木の建物は、連絡通路を隔ててテナントエリアと奥三河郷土館に分かれている。

ルネッサンストマトなど、初夏の野菜が並ぶ
設楽町産の食材を使った加工品

テナントエリア1階の清嶺市場には、設楽町ならではの特産物が並ぶ。山から湧き出る清らかな水で栽培された米は、知る人ぞ知る人気商品。ミニサイズもあるので、試しに買うのにはちょうどいい。設楽町で誕生したルネッサンストマトも見逃せない。栽培に手間がかかるため入手しにくく、「幻のトマト」といわれるほどで、皮が軟らかく果肉がさらっとして美味だという。6月~11月の旬の時期には、ぜひ賞味してみたい。

ジビエや、地元の淡水で養殖している愛知県のブランド魚「絹姫サーモン」など、肉や魚の加工品も多数販売している。

向かいの清嶺食堂では、こうした地域の食材を使った料理を味わえる。鹿のミンチ肉とたたきを載せた「森の恵みまぜそば」、トマトをたっぷり使い、オリジナルスパイスを配合した「酒粕チキンのスパイシートマトカレー」など、地元の食材の魅力が詰まった「ここでしか食べられないメニュー」だ。

「森の恵みまぜそば」1100円
地元農家のトマトをふんだんに使った「酒粕チキンのスパイシートマトカレー」850 円
絹姫サーモン定食」1200円。設楽町で養殖された絹姫サーモンのフライと刺し身を両方味わえる

味わうだけでなく、おいしい食を育む町の風土や歴史についても、学んだり体験したりできるのが、したらの大きな魅力の一つ。

併設する奥三河郷土館は「奥三河のくらしとこころをつたえる」をテーマに、自然史や考古学、風俗や習慣など、7万点もの資料を収蔵。多くの人に見てもらえるよう、道の駅内に移転した。

「設楽の自然と生きものたち」、「人々のくらしと社会のはじまり」などのコーナーがあり、ジオラマ、標本、発掘した道具や土器なども展示されている。

駐車場にはかつて設楽町を走っていた旧豊橋鉄道田口線の木製車両「モハ14型」の実物も展示されている。

テナントエリア2階の「ほうらいせん酒らぼ」は、地元の関谷醸造の運営で、日本酒造り体験やワークショップも行っている(要予約)。

奥三河郷土館の2階有料エリア(300円)の展示室
1968年に廃線になった田口線の車両も展示
日本酒造り体験の様子

ぜひとも立ち寄りたいのが、五平餅を焼く香ばしい匂いの漂う屋外の売店、つぐや。自家栽培の米を使い、こだわりの製法で作る「くるみだれ五平餅」(350円)を屋外の売店で販売している。

設楽町の五平餅は祝い事で食べられていたといわれ、水系によってみそ味、しょうゆ味などタレの味が異なるという。町内にはこの他に3軒の五平餅の店があり、車で巡って食べ比べるのも楽しいだろう。

文/高崎真規子

タレにつけた五平餅を炭火で焼く

道の駅 したら

TEL:0536-63-0120

住所:愛知県設楽町清崎中田17-7

営業:【清嶺市場】9時~17時/無休 【清嶺食堂】11時~14時30分/無休【 つぐや】9時~17時/火曜(祝日の場合は翌日)休【 奥三河郷土館】9時~16時30分/火曜(祝日の場合は翌日)休

交通:新東名高速新城ICから20キロ

駐車場 :【普通車】38台【大型車】4台

 

※掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2023年5月号)

(Web掲載:2023年5月2日)

 

 

 


Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

Related stories

関連記事

Related tours

この記事を見た人はこんなツアーを見ています