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【私だけのひとり旅】倉敷で世界の名画と街歩きを満喫する(2)

場所
> 倉敷市
【私だけのひとり旅】倉敷で世界の名画と街歩きを満喫する(2)

倉敷美観地区の中心に立つ倉敷館

 

美観地区を探索し、好みのデニム製品を手に入れる

【私だけのひとり旅】倉敷で世界の名画と街歩きを満喫する(1)から続く

大原美術館で孫三郎や總一郎の先見性や芸術に対する理解に感銘を受けたところで、「語らい座 大原本邸」へ回り、大原家についてさらに知識を深めた。昼食は「あずみ」で總一郎が愛した信州そばを味わった。

美観地区の中心には町役場として1917年に建てられた洋風木造建築「倉敷館」がある。現在は観光案内所になっており、地図をもらって「倉敷民藝館(みんげいかん)」を経て、「倉敷アイビースクエア」へ向かった。この施設は、1889年に造られた倉敷紡績所(現クラボウ)の本社工場で、経済産業省の「近代化産業遺産」や文化庁の「日本遺産」に認定されている。改修された現在は、ミュージアム「倉紡(くらぼう)記念館」やホテル、レストラン、ショップ、陶芸工房も併設している。

赤レンガとツタが印象的な倉敷アイビースクエア

敷地内をぐるりと回り、中庭庭園でひと休みしてから倉敷川沿いの「倉敷デニムストリート」を訪れてショッピング。倉敷は国産ジーンズ発祥の地といわれ、今も良質なジーンズやデニム商品を製造している。

美観地区には新たな文化施設やショップ、飲食店も増えている。2021年には吉備(きび)の文化財を展示する「きび美(び) ミュージアム」と浮世絵師・歌川国芳(くによし)の作品を紹介する「UKIYO-E KURASHIKI / 国芳館」、22年には複合施設「倉敷SOLA」もオープンした。

美観地区を堪能し、「カフェ エル・グレコ」で一服。店を出る頃には日も傾き、さらに旅情を誘う。美観地区は照明デザイナー石井幹子(もとこ) さんがプロデュースしたライトアップ(日没〜22時、10月〜3月は日没〜21時)もある。大原美術館で芸術の楽しみ方を学び、美観地区のさまざまな魅力も再発見した旅になった。

文/児島奈美 写真/宮川 透

 

倉敷 立ち寄りたい店&施設

名物の山芋そば1300円。とろろと自家製つゆの相性が抜群

あずみ

總一郎も愛した信州そばの店。大原總一郎が長野を訪れた際にその味にほれ込み、美観地区に招いて1946年に創業。松本民芸家具が配された落ち着いた店内で、3代目が丹念に手打ちする、風味豊かな信州そばが味わえる。

■11時30分~14時30分(土・日曜、祝日は~15時30分)/月曜(祝日の場合は翌日)休/山陽線倉敷駅から徒歩15分/TEL:086-422-8970

※掲載時のデータです。

 

初代館長の外村吉之介が集めた温かみのある品々

倉敷民藝館

美しい生活用品がズラリと並ぶ。東京の「日本民藝館」に次いで、国内で2番目に開館した民藝館。古今東西を問わず日々の暮らしに役立つさまざまな民藝品約1万5000点を所蔵し、江戸時代末期築の米蔵を改装した館内に展示している。

■9時~16時30分/月曜(祝日は開館)、12月29日~1月1日休、※6月までの祝日を除く月曜~金曜は臨時休/山陽線倉敷駅から徒歩17分/1200円/TEL:086-422-1637

※掲載時のデータです。

 

お気に入りのデニム製品を見つけよう

倉敷デニムストリート

メンズ、レディース、雑貨館に分かれ、ジーンズから小物まで、様々なデニム製品がそろうデニム好き必見の品ぞろえ。「和蔵」「桃太郎」「児島ジーンズ」など人気ブランドもあり、意匠を凝らしたワンランク上の製品も手に入る。

■9時30分~17時30分(季節により変動)/無休/山陽線倉敷駅から徒歩20分/TEL:086-435-9135

※掲載時のデータです。

 

創業時から使われている貴重なケヤキのテーブル

カフェ エル・グレコ

大正ロマン香る喫茶店。「大原美術館で絵画を見た人たちが絵の余韻を楽しめるように」という大原總一郎の発案で1959年に創業。大原家の事務所として建築家の薬師寺主計(かずえ)が設計した大正末期の洋館で、ネルドリップのコーヒーが楽しめる。

■10時~16時40分/月曜休(祝日の場合は営業)/山陽線倉敷駅から徒歩15分/TEL:086-422-0297

※掲載時のデータです。

 

倉敷 ひとり旅の宿

倉敷国際ホテル

倉敷を代表するクラシックホテル。大原美術館の隣に大原總一郎が1963年に創業。建築家の浦辺鎮太郎(しずたろう)が設計した建物は和と洋が融合し、ロビーには棟方志功の幅12.84㍍・高さ1.75㍍の木板画が飾られている。

■ひとり泊データ 通年可/素泊まり1万1100円~/トイレ付き18.8平方㍍本館シングル/山陽線倉敷駅から徒歩15分(倉敷市中央1-1-44 ) /TEL:086-422-5141

※掲載時のデータです。

 

倉敷アイビースクエア

美観地区の東南にあり、歴史と情緒が漂う「泊まれる文化遺産」として人気。ツインのエコノミーはシャワーのみ。スタンダードはバスタブ付き。館内に大浴場もある。

■ひとり泊データ 通年可/素泊まり7700円~/トイレ付き15平方㍍エコノミーツイン/山陽線倉敷駅から徒歩18分(倉敷市本町7-2)/TEL:086-422-0011

※掲載時のデータです。

 

ホテル グラン・ココエ倉敷

2021年10月に誕生した複合商業施設「あちてらす倉敷」内にあり、木の温もりを感じる客室は、倉敷らしいデニムのあしらいも魅力。館内に大浴場もある。美観地区へは歩いて約7分。

■ひとり泊データ 通年可/素泊まり9000円~/トイレ付き13~16平方㍍シングル/山陽線倉敷駅から徒歩3分(倉敷市阿知3-9-1)/TEL:086-436-7300

※掲載時のデータです。


(出典:「旅行読売」2023年6月号)

(Web掲載:2023年5月29日)

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Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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