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【青春18きっぷでできること】西日本の鉄道ミュージアムを巡る(1)

場所
> 津山市、西条市、北九州市ほか
【青春18きっぷでできること】西日本の鉄道ミュージアムを巡る(1)

津山まなびの鉄道館の扇形機関車庫に格納された展示車両

瀬戸内海を航路でワープ 2泊3日でのんびり見学

国鉄が民営化されて36年、国鉄時代の車両は、ほとんどが現役を退いている。「懐かしい車両たちに再び会いたい!」。そんな願いをかなえてくれるのが各地の鉄道ミュージアムだ。青春18きっぷを利用し、道中も楽しみつつ、大阪を起点に2泊3日で中国、四国、九州の鉄道ミュージアムを巡った。

岡山駅で出発を待つ快速マリンライナー
晴天に恵まれ、瀬戸大橋からの車窓風景は美しかった

最初に目指したのは、岡山県津山市。姫路駅で姫新(きしん)線に乗り換え、津山駅から徒歩で「津山まなびの鉄道館」へ。目の前には、転車台から扇状に線路を引き込んだ〝扇形機関車庫〟が立つ。半円形の車庫に国鉄時代の車両がズラリと並ぶ光景は、国内随一の迫力だ。津山駅に戻ると、各方面へ出発する列車案内の誘惑を振り切り、津山線から瀬戸大橋線へと快速を乗り継いで四国へ渡る。天候に恵まれ、車窓に広がる瀬戸内海の風景を堪能した。

四国鉄道文化館の加藤さん。キハ65形の前で
四国鉄道文化館北館の新幹線0系(左)とDF50形

2日目は高松駅から予讃線に乗り、伊予西条にある「四国鉄道文化館」へ。なぜ伊予西条に鉄道ミュージアムがあるのか? その答えは、当地が「新幹線の生みの親」と呼ばれる、第4代国鉄総裁・十河(そごう)信二氏のゆかりの地だからだ。団子鼻の先頭車両が懐かしい新幹線0系電車などが展示されており、特に懐かしく感じたのは、急行用ディーゼルカーのキハ65形。筆者は35年前、四国を旅した際にお世話になった。

「パワーがあって扱いやすかった。保存車両は国内にこの1両しかありません」と話すのは、館長の加藤圭哉(けいや)さん。かつては運転士として、この車両にも乗務したという。車内見学も可能で、入ると座席窓下のテーブルに栓抜きが残されている。館内にはビン飲料の自動販売機があり、実際に栓抜きを体験できるという気の利いた演出がうれしかった。

文・写真/米屋こうじ

【青春18きっぷでできること】西日本の鉄道ミュージアムを巡る(2)へ続く

 

 

津山まなびの鉄道館

鉄道の要衝に置かれた、旧津山機関区の施設を活用。扇形機関車庫はSL全盛期の1936年に建設。非電化路線で活躍したディーゼル車両を中心に13両を展示する。

■9時〜16時/月曜(祝日の場合は翌日)休/310円/津山駅から徒歩10分/岡山県津山市大谷 ☎0868・35・3343

四国鉄道文化館

線路を挟んで北館、南館の2館がある。新幹線初代形式0系電車ほか、DF50形、DE10形ディーゼル機関車などを展示。四国の鉄道を再現したジオラマも充実。

■9時〜16時30分/水曜(祝日の場合は翌日)休/300円/伊予西条駅からすぐ/愛媛県西条市大町798-1 ☎0897・47・3855

素朴な味が懐かしい老舗菓子店

とらや一甫(いっぽ)駅前店

伊予西条駅前にある、西条市民に愛される昔ながらの菓子店。看板商品のクッキーは、さくっとした口当たりで素朴な味わい。ココア、ミルク、チーズ、ジャムなど種類も豊富。和菓子「うちぬき」は黒ゴマを練り込んだ求肥(ぎゅうひ)でモチモチした食感。石鎚山(いしづちさん)の湧き水「うちぬき水」が名前の由来。ソフトクリーム(300円)も人気だ。

■8時30分〜17時50分/水曜休/クッキー120円ほか/伊予西条駅からすぐ/愛媛県西条市大町856-3 ☎0897・55・3555

※掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2023年7月号)

(Web掲載:2023年6月28日)

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Writer

米屋こうじ さん

1968年、山形県生まれ。鉄道カメラマン。鉄道と人々の結び付きをテーマに日本と世界の鉄道を取材撮影。著書に『ひとたび てつたび』『I LOVE TRAIN-アジア・レイルライフ』(ころから)など

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