【出港!海の旅】高速ジェット船とフェリーで神津島へ(2)
神津島は東京都の星空保護区に認定されている。観賞会に参加すれば島民ガイドの説明を聞きながら観賞できる
星空観賞会で島の夜を過ごす
【出港!海の旅】高速ジェット船とフェリーで神津島へ(1)から続く
神津島の楽しみ方の一つに星空観賞がある。20年には東京都初の「星空保護区」に認定された。取材日はあいにくの雨天だったため、島民ガイドの古谷亘(わたる)さんに話を聞いた。
「いま(5月下旬)は星座の中で一番領域が広い〝うみへび座〟が見られます。東の空に頭を出してから尾の先端が出切るまで約6時間もかかる大きさです。暗い環境でないと全体をたどることが難しいのですが、神津島ではそれができます」
7・8月の条件が良い日には、天の川や夏の大三角(デネブ、アルタイル、ベガ)が真上に望めるとか。次はぜひ星空を見上げながら、島民ガイドの解説を聞きたい。
翌日の帰路はフェリーあぜりあで静岡県の下田港へ。往復で趣が異なる二つの船旅を楽しめるのも神津島の魅力だろう。客室は大広間の2等室、10人定員の特2等室、シャワーやツインベッドを備えた1等室の3 タイプ。甲板にはイスもあり、外に出ることができる。
「神津島と新島の間に見える島が三宅島と御蔵(みくら)島です。運が良ければ航海中にイルカが跳ねたり、クジラが潮を吹いたりする様子が見られますよ」と案内係の梁(やな)利広さん。ただ景色を眺め、頭の中を空っぽにできたのは久しぶりだ。白亜の灯台が立つ神子元島(みこもとじま)を過ぎると下田港はもうすぐ。下田からは列車旅になる。乗り物好きには〝1粒で3度おいしい〟旅といえそうだ。
文・写真/内田 晃
◉運航ダイヤ
(月・木・土曜)
下田(9:30発)-神津島(11:50着、12:10発)-式根島(13:00着、13:10発)-新島(13:30着、13:50発)-利島(14:40着、14:45発)-下田(16:30着)
(火・金・日曜)
下田(9:30発)-利島(11:05着、11:10発)-新島(12:10着、12:25発)-式根島(12:45着、13:00発)-神津島(13:50着、14:10発)-下田(16:30着)
※水曜は運休
◉料金(8月) 下田~神津島 2等4400円、特2等6610円、1等8820円
◉アクセス 下田港=伊豆急行線伊豆急下田駅からタクシー7分
◉問い合わせ 神新汽船 ☎03・3436・1146
地魚のおいしさを知り尽くした島のお母さんたちが腕を振るう食堂が2階にある。甘めの特製ダレにくぐらせた2種の地魚を載せた漬丼定食が一番人気。キンメダイの煮付定食は限定品なので機会があればぜひ。1階では赤イカ入り塩辛などの加工品を販売している。
■11時〜14時30分/火曜休(7月下旬〜8月は無休)/神津島港(前浜)からすぐ/☎04992・8・1342
海沿いの温泉らしくうす濁りの湯は塩分濃度が高く、なめると塩辛い。源泉は泉温が高く温度調整の加水はするが、循環はせずにかけ流しで使う。男女別の内湯のほか、水着着用で男女一緒に湯あみできる展望風呂(屋外)と大露天風呂(7月下旬再開予定)がある。
■14時〜19時(レストランは11時30分〜13時30分、16時30分〜19時30分)/800円/水曜休/神津島港(前浜)から赤崎遊歩道方面行きバス5分、温泉保養センター下車すぐ/☎04992・8・1376
「神津島星空ガイド養成講座」を受講した島民ガイドが星空の魅力や島の歴史、生活などを解説。集落を見下ろす高台の「よたね広場」が会場で、現地集合・解散となる。島内のネイチャーガイド「フルアース」でも1人から星空ガイド(4000円)を実施している。
■20時15分〜21時/不定休/参加料3300円(要予約。最少催行3人)/神津島港(前浜)から徒歩20分(よたね広場)/☎04992・8・0321(神津島観光協会)
※掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2023年8月号)
(Web掲載:2023年7月27日)