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【鉄印帳の旅】道南いさりび鉄道

場所
【鉄印帳の旅】道南いさりび鉄道

鉄印を販売する40社でもっとも北に位置し、唯一北海道にある道南いさりび鉄道。
北海道新幹線が開業した2016年に、JR江差線(木古内駅〜江差駅間は14年廃止)の木古内駅〜五稜郭駅間37.8キロを引き継ぎ誕生した。同社のロゴマークには函館湾や津軽海峡の青い海と、地元名産のイカ釣り漁船の漁火が表現され、JR北海道から譲渡されたキハ40形ディーゼル車9両が運行している。

五稜郭タワーから望む美しい星形の特別史跡五稜郭。江戸時代末期に江戸幕府が蝦夷地の箱館郊外に築造した稜堡式の城郭

まずは五稜郭駅から五稜郭タワーへ向かう。函館山、津軽海峡、駒ヶ岳、眼下の五稜郭を一望してから函館駅へ行き、近くの本社窓口で鉄印をもらう。ロゴマークを基調にして、寒中みそぎ祭で知られる佐女川(さめがわ)神社の宮司が筆で書いた社名を印刷し、そこに日付を入れる。経営企画部の春井満広さんは「車窓から見える四季折々の風景はもちろん、途中の駅で降りて沿線の魅力を肌で感じていただき、旅の思い出にぜひ鉄印を」と話す。

五稜郭タワーは星形をした五稜郭をはじめとする展望が楽しめ、五稜郭の歴史に関する展示も行う
ロゴマークを基調にした道南いさりび鉄道の鉄印

函館駅から木古内駅を目指す。途中、上磯駅付近で海に突き出たベルトコンベアーが見えてほどなくすると、列車は海沿いを走る。車窓には湾に浮かぶ函館山、津軽海峡を挟んで見える下北半島や津軽半島といった絶景が流れていく。終点の木古内駅で佐女川神社を参拝したのち、寒中みそぎ祭でご神体が清められるみそぎ浜を巡る。駅前の道の駅みそぎの郷きこないにある「どうなんde’ s」では、木古内産ひじきとほうれん草の柚子胡椒クリームのパスタ(1000円)やぱくぱく塩パンなどを味わった。

佐女川神社。神社に伝わるみそぎ伝説に則り、毎年1月13日~15日に寒中みそぎ祭を執り行う

函館へ戻る前に渡島当別(おしまとうべつ)駅で降りトラピスト修道院へと続く〝ローマの道〞を登っていく。振り返ると並木の先に青い海が輝いていた。 

文・写真/越信行

トラピスト修道院へと続く〝ローマの道〞

道南いさりび鉄道 鉄印
鉄印の記帳は道南いさりび鉄道本社、いさりび鉄道五稜郭駅売店、道の駅みそぎの郷きこないにて。道南いさりび鉄道本社9時~17時(土・日曜、祝日休)、いさりび鉄道五稜郭駅売店6時~19時、道の駅みそぎの郷きこない9時~18時/いずれも年末年始休
鉄印帳/2200円、鉄印の記帳料/300円(乗車券の提示が必要)
TEL:0138-83-1977(9時~17時/土・日曜、祝日は休み)

(出典:「旅行読売」2023年9月号)
(Web掲載:2023年8月10日)

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Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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