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【北出恭子さんが選ぶ 私の極上温泉】猪苗代沼尻温泉 沼尻高原ロッジ(1)

場所
> 猪苗代町
【北出恭子さんが選ぶ 私の極上温泉】猪苗代沼尻温泉 沼尻高原ロッジ(1)

ブナの原生林に囲まれた露天風呂。四季折々の風情を楽しめる

 

きたで きょうこ

山口県出身。温泉専門家。国内外の温泉を年間300湯以上巡る。多数の温泉資格や知見を活かし、メディア出演や講演、インフルエンサーとして、温泉の魅力を世界に発信。温泉資源を活用したまちづくりの監修なども行う。大学講師や観光行政の委員も務めている。著書は『九州絶品温泉ドコ行こ?』(ペガサス出版)

 

登山家・田部井淳子さんが愛した温泉宿

「沼尻高原ロッジ」は名峰安達太良(あだたら)山の西麓、自然豊かな磐梯(ばんだい)朝日国立公園内に立つ。木の温かみに包まれた館内は、山荘の雰囲気を残しながらも、リゾートのようなモダンで洗練された独特な空気感がある。山荘風の客室はこぢんまりしているが、北欧風のファブリックがかわいくて居心地がいい。「日常を忘れてゆっくり過ごしてほしい」という思いから、時計やテレビ、電話も置いていない。それだけに、風や木々の音に耳を澄まし、朝日とともに目覚め、自然をより身近に感じられる。

山荘の雰囲気を残す昔のままの外観
人類初のエベレスト登頂に成功した登山家が宿泊した「ヒラリー卿の部屋」

温泉は100%源泉かけ流し。沼尻温泉は開湯270年以上の歴史があり、毎分1万3400リットルという単一源泉からの湧出量は日本一だ。このロッジでは、自然に湧き出たそんな貴重な源泉を、山の傾斜を利用して約4キロ引き湯している。泉質はレモンと同程度のpH2.1の酸性で、硫黄成分もたっぷり。刺激的でありながらも、ふんわりと肌を包み込んでくれるような湯で、肌が生まれ変わったようにツルツルになった。露天風呂につかれば、手つかずの自然の中で森林浴しているかのよう。心も体もポカポカに温まり、日頃の疲れがすべて極上のにごり湯に溶かされていく。

内風呂では階段状の湯口に源泉を流して湯の温度を調節している

湯上がりには、ラウンジでひと休み。ウイスキー、白ワイン、コーヒー、紅茶などをフリードリンクで思い思いに楽しめる。移り変わる空を見上げながらウッドテラスでグラスを傾けるのも一興だ。

文・写真⋰北出恭子

 

【北出恭子さんが選ぶ 私の極上温泉】猪苗代沼尻温泉 沼尻高原ロッジ(2)へ続く

 

ロビー。館内には田部井淳子さんが愛した民芸品やゆかりの品が飾られている
自宅のリビングのようにくつろげるラウンジ

沼尻高原ロッジ

住所:福島県猪苗代町蚕養沼尻山甲2864
TEL:0242-93-8101

料金:1泊2食平日1万8850円~、休前日2万4350円~(1人1室は1万9850円~)
客室:全12室
食事:夕食・朝食=食事処
泉質:酸性・含硫黄―カルシウム・アルミニウム―硫酸塩・塩化物泉
貸切:なし
交通:磐越西線猪苗代駅から送迎30分(要予約)またはタクシー20分/磐越道猪苗代磐梯高原ICから15キロ

※掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2022年12月号)
(Web掲載:2023年8月16日)

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