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【ごちそう民宿】民宿 井筒屋(京都・宮津市)

場所
> 宮津市
【ごちそう民宿】民宿 井筒屋(京都・宮津市)

夕食はお造りや焼き物、天ぷらなど地産地消の料理が並ぶ。調理は海平さんが担当

 

「海から3歩」の舟屋で日本海と里山の旬をいただく

1階が船置き場で、建物が海に浮かぶように見える「伊根の舟屋」の近く、日本海に面し、古き良き漁師町の雰囲気が漂う宮津市養老地区にある民宿 井筒屋にやってきた。主人の小嶋海平(かいへい)さんは2016年、大阪出身の太(たい)さんと結婚したのを機にUターンし、祖父母が営む民宿を継いだ。築51年の舟屋造りの建物は、天井の梁(はり)や家財、漁師道具などに歴史を残しつつ、2023年3月にフルリノベーションも行った。

漁師とその日常を描いた壁画は、海とともにある生活のシンボルだという
モスグリーンの壁がおしゃれな客室
浴室からも目の前の海が見える

客室の目の前は海。大きな窓辺にあるカウンターに座ってのんびり海を眺め、波の音に耳を傾けていると、自然との距離がとても近い暮らしだと感じる。「私たちはこの地域を『海がおなか、山がせなか』と表現するんです」と海平さん。

海にも山にも近い立地を生かして自分の手でとったり選んだりした鮮度の良い食材を料理し、夕食では8〜9品が供される。8月中旬まで潜水漁でとれるアワビの刺し身はコリコリした食感がたまらない。お造りのスズキは今の時期、脂がのっていて格別だ。岩ガキは生やバター焼きでいただくと、濃厚でクリーミーな味が際立つ。

毎年7月〜8月中旬にアワビの潜水漁が行われる
おすすめの地酒を注ぐ太さん
ご飯は地元の農家が直売しているコシヒカリ

自家菜園の賀茂茄子(かもなす)はしぎ焼きで。肉厚でジューシーな味わいが楽しめる。丹後地方には酒蔵も点在する。太さんにすすめてもらった地酒もまた料理を引き立てる。

文/堀内志保


民宿 井筒屋

TEL:070-5347-8406
料金:1泊2食1万4000円〜
客室:3(トイレ共同)
風呂:1
交通:京都丹後鉄道天橋立駅からバス45分、大島中下車徒歩3分/京都縦貫道与謝天橋立ICから国道176、178号経由19キロ
※掲載時のデータです。
井筒屋ホームページ

夏場に自家菜園で採れる大葉ジェノベーゼソース

夏場に自家菜園で採れる大葉を使い手作りしたジェノベーゼソース(150グラム600円)。夕食ではイカと合わせ小鉢の一品として出されるほか、宿泊者向けの土産として販売されている。パスタと和えジェノベーゼパスタにするのがおすすめ。

(出典:「旅行読売」2023年8月号)
(Web掲載:2023年8月22日)

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Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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