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【私の街の路面電車】2023年8月26日開業の新路線!芳賀・宇都宮LRT(1)

場所
> 宇都宮市、芳賀町
【私の街の路面電車】2023年8月26日開業の新路線!芳賀・宇都宮LRT(1)

田園風景の中も走り、宇都宮駅東口-芳賀・高根沢工業団地停留場間を日中約12分間隔、40分台で結ぶ「芳賀・宇都宮LRT」

 

路面電車としては75年ぶりの国内新路線が誕生

日本で初めての路面電車(軌道として運行する鉄道)は、電車としても日本初となる1895年開業の京都市電(1978年廃止)。以来128年、現在路面電車は19社・計約250キロで運行されている。


日本ではレトロなイメージが強い路面電車だが、ヨーロッパなどでは地球や都市環境への負荷の少ない交通手段として注目され、LRT(ラ イト レ ール トランジット)と呼ばれる次世代型路面電車システムが積極的に導入されている。そんななか今年8月26日、芳賀・宇都宮LRTが、これまで路面電車がなかった地域においては75年ぶりの新規路線として開業を迎える。

人にも環境にも優しい路面電車が出発進行!

芳賀・宇都宮LRTは、「ネットワーク型コンパクトシティ構想」を掲げる栃木県宇都宮市と、クルマに代わる新たな公共交通体系の構築を目指してきた芳賀町が協働して整備にあたってきた。既存の道路に新たに軌道を整備してクルマと分離運行することで、定時性と速達性、高頻度運転を実現する。5か所に設けられるトランジットセンター(乗り換え施設)では、ほかの交通手段とのシームレスな(途切れのない)乗り換えも行える。また全17編成(1編成は3両編成)すべてにLRV(低床式路面電車車両)を導入し、高いバリアフリー性による誰もが利用しやすい公共交通機関を目指している。

ボックス席の下部分に車輪を配置することで、広い車内スペースを確保している
優先座席は本革張り。立ち上がりやすいよう配慮されている
日本で数例しかないという四角い形をしたつり革。設置する場所によって長さを変え、上部の取っ手が握れるなどの工夫も
車体の各所に設置されたカメラからの映像が写し出される近代的な運転台

次世代交通にふさわしく、新たな仕組みも導入した。再生可能エネルギー電力を100%使って運行する「ゼロカーボントランスポート」もその一つ。地域連携ICカードによる乗降が可能な「セルフ乗降方式」(駅員や乗務員による運賃の収受などを省略する方式)を、日本で初めて全営業車両の全扉で採用しているのも特徴だ。

文・写真/越 信行

 

【私の街の路面電車】2023年8月26日開業の新路線!芳賀・宇都宮LRT(2)へ続く


芳賀・宇都宮LRT

開業:2023年8月26日
営業距離:14.6キロ
留場数:19
運賃:初乗り150円。乗った距離に応じて運賃が決まる対距離制。乗車~3キロまで150円均一、3キロ~7キロまで2キロごとに50円加算、7キロからは3キロごとに50円加算。例)宇都宮東口から宇都宮大学陽東キャンパスまで150円、グリーンスタジアム前まで300円、芳賀・高根沢工業団地まで400円。
問い合わせ:宇都宮ライトレール℡028・666・6017

 

(出典:「旅行読売」2023年9月号)

(Web掲載:2023年10月5日)

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Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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