【私だけのひとり旅】日光で徳川家康公坐像を拝観する（2）

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中禅寺湖畔にあるアーネスト・サトウの別荘を復元した英国大使館別荘

国際化した観光地・日光の魅力を探る

明治から昭和にかけて、日光はリゾート地として進化を遂げる。再びバスで奥日光へ。中禅寺湖畔の英国大使館別荘記念公園を訪れた。英国外交官のアーネスト・サトウが1896 年に建てた別荘を復元した建物は、黒いシックな外観。館内にはビクトリア朝時代の英国文化や奥日光の自然を紹介する展示物が飾られる。優雅に紅茶を味わいながら中禅寺湖や日光連山の絶景を楽しみたい。

隣のイタリア大使館別荘記念公園には、イタリアの外交官で建築家のアントニン・レーモンドが設計した建物が立つ。市松模様のしゃれたデザインで周囲の木々と見事に調和している。館内の家具や調度品は1928年に建築された当時のものを再利用している。質実剛健な英国と軽妙洒脱（けいみょうしゃだつ）なイタリア。それぞれのお国柄が建物に垣間見えるのも面白い。

サトウは英文のガイドブックなどで日光の魅力を伝え、外国人観光客が集まるきっかけを作った。大正から昭和にかけては、30棟もの外国人別荘が立ち並んだという。ヨットやマス釣りなど新たなレジャーがもたらされ、ますます人気が高まった。

両公園を管理する栃木県立日光自然博物館の山口裕司さんは「新しい文化が海外から日光に伝わり、観光地としての魅力が高まった。コロナ禍で外国人観光客はほぼゼロになったが、少しずつ回復してきている」と話す。徳川家がもたらした隆盛が外国人によってさらに高まった歴史を学んだ旅。移動に時間がかかるので、1泊した方がゆっくり回れそうだ。

文／山脇幸二　写真／阪口克

日光立ち寄りたい店＆施設

英国大使館別荘記念公園・イタリア大使館別荘記念公園

中禅寺湖畔に隣り合って広がる外交官が愛した由緒ある別荘。国際的な観光地としてにぎわった歴史を伝える建物を中心に現在は公園として整備され、一般公開されている。それぞれの国の歴史や文化に触れ、紅茶やコーヒー、菓子などを味わうこともできる。

■9時～17時（5月～11月10日）、9時～16時（4月・11月11日～11月30日）／無休（5月～11月）、月曜休（4月）、12月～3月は休館／各300円、英国・イタリア共通券450円／東武日光駅からバス45分、中禅寺湖温泉下車、船の駅中禅寺から中禅寺湖遊覧船40分、大使館別荘記念公園下船すぐ／TEL：0288-55-0880（栃木県立日光自然博物館）

※掲載時のデータです。