【私の街の路面電車】2023年8月26日開業の新路線!芳賀・宇都宮LRT(2)
宇都宮駅東口停留場。開業に合わせて宇都宮駅前も変わりつつある
人にも環境にも優しい路面電車が出発進行!
【私の街の路面電車】2023年8月26日開業の新路線!芳賀・宇都宮LRT(1)から続く
今回開通する芳賀・宇都宮LRTの区間は、宇都宮東部の工業団地や学校、新たに整備された街へのアクセスが主だが、沿線をたどってみるのも面白い。
宇都宮駅東口停留場のある市中心部には、江戸時代に日光社参の宿城として栄えた宇都宮城の本丸が復元されている。国道4号を越えた峰停留場のそばには宇都宮グルメの餃子(ぎょうざ)が味わえる「中華トントン」があり、昼になると行列ができる。
周囲に田んぼが広がる車両基地脇の平石停留場を過ぎ、次の平石中央小学校前停留場を出て渡る鬼怒川橋梁からは、鬼怒川の河岸段丘や日光・那須の山並みが望める。飛山城跡停留場の近くには、鎌倉時代に宇都宮城ともゆかりのあった飛山城の土塁や建物を復元した飛山城史跡公園があり、隣接するとびやま歴史体験館でその歴史に触れられる。
将来的には宇都宮市西側への延伸も計画・構想中
工場見学が人気のカルビーなどの企業が入る清原工業団地の並木道、近年造成されたゆいの杜(もり)地区を抜けると、芳賀町工業団地管理センター前停留場に到着。隣接するトランジットセンターからは、温泉や名産のイチゴを使ったジェラートが人気の「道の駅はが」方面へのバスに乗り換えができる。桜で有名なかしの森公園前停留場の次が、終着の芳賀・高根沢工業団地停留場となる。
芳賀・宇都宮LRTは宇都宮東部地区だけではなく、今後は観光拠点地域として期待される市西側、さらには最近注目の大谷(おおや)エリアへと延伸される計画、構想がある。未来に向け変わりゆく宇都宮、芳賀の街の様子を自身の目で確かめながら、新しい路面電車の旅を楽しんでほしい。
文・写真/越 信行
開業:2023年8月26日
営業距離:14.6キロ
停留場数:19
運賃:初乗り150円。乗った距離に応じて運賃が決まる対距離制。乗車~3キロまで150円均一、3キロ~7キロまで2キロごとに50円加算、7キロからは3キロごとに50円加算。例)宇都宮東口から宇都宮大学陽東キャンパスまで150円、グリーンスタジアム前まで300円、芳賀・高根沢工業団地まで400円。
問い合わせ:宇都宮ライトレール℡028・666・6017
※データは取材時のものです。
(出典:「旅行読売」2023年9月号)
(Web掲載:2023年10月6日)