【私の街の路面電車】桜島をバックに緑化された軌道を行き交う鹿児島市電
軌道敷内に芝生が植えられ、目にも鮮やかな鹿児島市電
環境対策にも取り組む日本最南端の路面電車
1912年に鹿児島電気軌道として開業した歴史ある路線で、運行系統は1系統(鹿児島駅前―騎射場―谷山)と2系統(鹿児島駅前―鹿児島中央駅前―郡元)がある。運賃は170円均一で、錦江(きんこう)湾沿いに広がる市街地を南北に結んでいる。
2006年からはヒートアイランド対策や騒音緩和などの目的で、軌道敷に芝生を植えるなどの緑化事業を推進。併用軌道区間全線(8.9キロ)で緑化が完了している。
新旧の車両が見られるのも、この市電の特徴だ。500形と600形は昭和30年代の製造で、昔ながらのレトロな雰囲気。近年登場した7500形(ユートラムⅢ)は最新設備の近代的車両で、床の高さがホーム面とほぼ同じ超低床車である。
鹿児島中央駅前と鹿児島駅前の間は多くの観光スポットが点在している。天文館通りは市内有数の繁華街で、黒豚料理や鹿児島ラーメンなど郷土料理の店も多い。
神田(交通局前)停留場前にある交通局舎の3階には資料展示室があり、電車やバスの資料や車両部品などを無料で見学できる(平日のみ)。また電車整備工場などの施設見学も実施している。
文/谷崎 竜
■モデルコース
<鹿児島中央駅前>
↓14分
<水族館口>
いおワールドかごしま水族館
↓1分
<市役所前>
鹿児島市庁舎
↓5分
<天文館通>
天文館通り
↓6分
<高見橋>
維新ふるさと館
↓2分
<鹿児島中央駅前>
鹿児島市電沿線の見どころ
さまざまな海洋生物を飼育。エサやり体験やイルカショーもある。
■9時30分~17時/12月の第1月曜から4日間休館/1500円/水族館口停留場から徒歩8分/TEL:099-226-2233
※掲載時のデータです。
鹿児島市庁舎
市庁舎の本館は1937年の建造で、庁舎では珍しい国の登録有形文化財。
■市役所前停留場からすぐ/TEL:099-298-5111(観光交流センター)
●開業:1912年
●営業距離:13.1キロ
●停留場数:35
●「市電・市バス・シティビュー1日乗車券」:600円。
●問い合わせ:鹿児島市交局/TEL099-257-2111
(出典:「旅行読売」2023年9月号)
(Web掲載:2023年9月5日)