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【天空の紅葉旅】まもなく紅葉が見頃!八幡平ハイキングと山のいで湯(1)

場所
> 八幡平市
見頃
9月中旬~10月
【天空の紅葉旅】まもなく紅葉が見頃!八幡平ハイキングと山のいで湯(1)

藤七温泉 彩雲荘は八幡平頂上からも近い標高1400メートルにある一軒宿(写真/ピクスタ)

 

東北一高所の湯につかり、黄金色に輝く散策路へ

八幡平の紅葉は例年、山頂付近で9月中・下旬に始まり、10月にかけて麓に下っていく。盛岡駅から1時間半ほどバスに揺られ八幡平温泉郷を通過。そこから松川温泉にかけての道程は、松川沿いにブナやナラなどの広葉樹が広がり、車窓を眺めながら森林浴をしているかのような気分になる。10月中旬〜下旬には赤や黄色の鮮やかな紅葉が楽しめるそうだ。

終点の松川温泉でバスを降りたら、藤七(とうしち)温泉 彩雲荘の送迎車に乗り換え、今宵(こよい)の宿へ。八幡平樹海ラインを上っていくと、深い森がまるで海原のように広がるダイナミックな景観に歓声が上がる。いつの間にか木々は針葉樹になり、白い煙と硫黄の香りが漂ってきた。

八幡平を代表する紅葉ルート・八幡平アスピーテライン(冬季通行止め・写真/八幡平市観光協会)
松川温泉と藤七温泉を結ぶ八幡平樹海ライン(冬季通行止め・写真/八幡平市観光協会)

宿に着き、車を降りると盛岡よりも肌寒く、季節が一歩進んでいるのを感じる。「ここは標高1400メートル。東北一高所の天然温泉です」と書かれた看板を目にして期待が膨らむ。

男女別内湯の白濁した湯船にざぶんとつかる。硫黄の香りに包まれ、旅の疲れがほぐれていく。内湯の扉の先に広がる混浴の露天風呂は開放感抜群。豪快にかけ流される湯の音が心地良く、雲が過ぎていくのがごく間近に感じられる。「八幡平山頂からこの辺り一帯は草紅葉に彩られます。露天風呂からも見えますよ」と代表取締役の阿部孝夫さん。針葉樹の緑や乳白色の湯との対照もさぞ素晴らしいことだろう。

条件が良ければご来光を拝めることも(写真/藤七温泉 彩雲荘)
藤七温泉の宿泊客専用露天風呂も眺めがいい

食事はバイキング形式。山菜やきのこ、季節の野菜が中心の滋味あふれる料理が25種ほど並び、あれこれ自由に盛り付けて堪能できる。きりたんぽ鍋や稲庭うどんなど秋田の名物もあって、「ああ、ここは岩手・秋田の県境なのだな」と思い出した。

19時半から1時間、男女別の内湯と混浴の露天風呂が全て女性専用になる。足元に気を付けながら露天につかり、うーんと手足を伸ばす。天気の良い日には、頭上に満天の星。手が届きそうなくらい近くに感じるのは空気の澄みきった高所ゆえだろう。

翌朝は日の出の時刻に合わせて宿泊者用の露天風呂へ。天候に恵まれればご来光が見え、女性用の露天風呂からは岩手山や雲海も眺められる。雲海を遠く眼下に眺めながら湯あみするのは何とも不思議な気分だ。

文/堀内志保 
写真/堀内 孝ほか

【天空の紅葉旅】まもなく紅葉が見頃!八幡平ハイキングと山のいで湯(2)へ続く

八幡平の紅葉旅の宿

   

藤七温泉 彩雲荘

東北一高所に湧くにごり湯
1928年の開湯以来、登山客に親しまれてきた。男女別の内湯、混浴・女性専用露天風呂の日帰り入浴は8時〜16時、650円。混浴露天風呂入浴の際に着用できるバスタオルは男女各1200円。松川温泉や八幡平頂上バス停から送迎あり(要予約)。営業期間は4月下旬〜10月。

料金:1泊2食1万4350円〜 
交通:東北新幹線盛岡駅からバス※1時間40分、藤七温泉下車すぐ/東北道松尾八幡平ICから県道45、23号経由27キロ
住所:岩手県八幡平市松尾寄木北の又国有林1564 
TEL:090-1495-0950
※盛岡駅からのバスは乗り換えが必要な便もあります。運行は10月15日まで。
※掲載時のデータです。

 

蒸ノ湯温泉 源泉・秘湯の宿 ふけの湯

江戸・寛永年間創業の湯治場
標高1100メートルにある、400年以上続く湯治場。総ヒバ造りの内湯や露天風呂のほか、野趣あふれる野天風呂が名物。紅葉を背景に、岩の間から立ち上る蒸気を眺めながらの湯あみは格別。日帰り入浴は10時〜15時、700円。営業期間は4月下旬〜11月上旬。

料金:1泊2食1万6650円〜
交通:東北新幹線盛岡駅からバス※1時間45分、八幡平頂上下車、送迎20分(要予約)/東北道松尾八幡平ICから県道45、23号経由34キロ
住所:秋田県鹿角市八幡平熊沢国有林内 
TEL:0186-31-2131
※盛岡駅からのバスは乗り換えが必要な便もあります。運行は10月15日まで。
※掲載時のデータです。

 

松川温泉 峡雲荘

短角牛やキノコなど食も自慢
標高875メートル、ブナやナラの豊かな原生林に囲まれた宿。自慢の温泉は男女別内湯のほか、混浴と女性専用露天風呂がある。緑がかった乳白色の湯と色付いた木々が美しい。日帰り入浴は8時30分〜18時、600円。藤七温泉や八幡平頂上への路線バスもある(10月15日まで)。

料金:1泊2食1万6650円〜 
交通:東北新幹線盛岡駅からバス1時間50分、松川温泉下車すぐ/東北道松尾八幡平ICから県道45、212号経由15キロ
住所:岩手県八幡平市松尾寄木松川温泉 
TEL:0195-78-2256
※掲載時のデータです。


■モデルコース

盛岡駅
↓バス1時間50分
松川温泉バス停
↓送迎20分
藤七温泉 泊
↓送迎5分
八幡平頂上バス停

八幡平頂上・八幡沼一周トレッキング

八幡平頂上バス停
↓八幡平自然散策バス1時間50分
盛岡駅

問い合わせ:八幡平市観光協会 TEL0195-78-3500

(出典:「旅行読売」2023年10月号)
(Web掲載:2023年9月20日)

☛八幡平など東北エリアへのツアーはこちら

☛にっぽんの秋を彩る「紅葉」特集はこちら


Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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