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【天空の紅葉旅】まもなく紅葉が見頃!八幡平ハイキングと山のいで湯(2)

場所
> 八幡平市
見頃
9月中旬~10月
【天空の紅葉旅】まもなく紅葉が見頃!八幡平ハイキングと山のいで湯(2)

八幡沼は周囲約1.5キロの火山湖。八幡平の沼の中では最大で、周辺には壮大な湿原が広がる(写真/八幡平市観光協会)

 

初心者も気軽に頂上と湿原へ

【天空の紅葉旅】まもなく紅葉が見頃!八幡平ハイキングと山のいで湯(1)から続く

チェックアウト後は、宿の送迎で八幡平頂上バス停へ。八幡平山頂レストハウスで帰りの盛岡駅行き八幡平自然散策バス(帰り券1350円、10月15日まで)の乗車券を購入する。「このバスの利用者は、散策ガイドが無料案内する八幡平頂上と八幡沼一周のトレッキングに参加できます。盛岡駅発の八幡平自然散策バスが10時55分、八幡平頂上バス停に到着するのに合わせて出発しますよ」と八幡平市観光協会の田代美香さんが教えてくれた。

ガイドが案内する散策は所要約2時間半。解説や休憩を省けば1時間35分ほどのコースだ。今回はのんびり個人で巡ってみた。レストハウス前の県境登山口から整備された石畳の道を上っていくと鏡沼が見えてくる。雪解けの時期、竜の目のように見える八幡平ドラゴンアイで有名だ。先ほどよりも緩やかな道を上ると間もなく標高1613メートルの八幡平の頂上。幅広い年代が余裕を持って歩ける行程で頂上に立てる気軽さがうれしい。展望台から見えるのは針葉樹のアオモリトドマツが多く、標高の高さが実感できる。

八幡平ドラゴンアイで知られる鏡沼。すぐ近くには二つの沼が並んで見えるメガネ沼もある (写真/八幡平市観光協会)
木道が整備され初心者でも歩きやすいコース

緩やかな下り道を行くと八幡沼とガマ沼を見渡す展望台に出た。展望台からはこれから歩くコースの様子も一望できる。太陽が顔をのぞかせると沼が輝きを増し、観光客がカメラを向けて熱心に撮影を始めた。

ここから八幡沼の周囲をぐるりと一周。すれ違う人とあいさつを交わしながら、自分のペースで歩くのもいい。春から夏にかけて高山植物が可憐(かれん)な花をつけていた湿原は、雪に閉ざされる長い冬を前にして草紅葉に彩られる。まるでアニメ映画「風の谷のナウシカ」の舞台を思わせるような風景が広がるそうだ。

八幡平に秋を知らせるミヤマアキノキリンソウ
白くかれんな花をつけるウメバチソウ

湿原を過ぎると木道から石畳に変わり、見返峠の展望台へ。岩手山や八幡平アスピーテラインが見渡せ、紅葉が進む様子も一目で分かるだろう。しばらく下るとゴールの県境登山口。心地よい疲れを感じながら帰途に就いた。

文/堀内志保 
写真/堀内 孝ほか

八幡平周辺の見どころやお店

松尾鉱山跡

大正時代から昭和40年代にかけて採掘され、東洋一の硫黄鉱山といわれた。昭和30年前後の最盛期には従業員とその家族約1万5000人が暮らしたという。当時、最新の設備を備えたアパート群などが残る。2007年に近代化産業遺産に認定。八幡平アスピーテラインから廃墟を眺められる。

■東北道松尾八幡平ICから県道45、23号経由15キロ(鉱山跡への立ち入りは不可)/TEL0195-78-3500(八幡平市観光協会)

※掲載時のデータです。

 

八幡平山頂散策路

60分コース:県境登山口~鏡沼~八幡平頂上~八幡沼~ガマ沼展望台~見返峠
130分コース:黒谷地バス停~黒谷地湿原~源太森~八幡沼~八幡平頂上~鏡沼
210分コース:茶臼口バス停~茶臼岳~黒谷地湿原~八幡沼~源太森~八幡平頂上~鏡沼
など自分の体力に合ったトレッキングコースが選べる。

■TEL:0195-78-3500(八幡平市観光協会)

※掲載時のデータです。

 

和風しょうゆ味のきのこラーメン(1000円)※掲載時のデータです
安比まいたけ炊き込みご飯の素(650円)※掲載時のデータです

松尾八幡平物産館 あすぴーて

八幡平アスピーテラインの入り口にある。地元産の安比(あっぴ)まいたけ商品や山ぶどうのワインやジュースなどが買える。食堂もあり「きのこラーメン」や旬野菜の素揚げがのった「産直カツカレー」(950円)が人気。
■産直・売店8時30分〜16時(土・日曜、祝日は〜17時)、食堂11時〜14時(土・日曜、祝日は〜15時)/無休(11月〜3月は水曜)/東北新幹線盛岡駅からバス40分、さくら公園前下車すぐ/東北道松尾八幡平ICから県道45号経由6.5キロ/TEL:0195-78-3480

※掲載時のデータです。


■モデルコース

盛岡駅
↓バス1時間50分
松川温泉バス停
↓送迎20分
藤七温泉泊
↓送迎5分
八幡平頂上バス停

八幡平頂上・八幡沼一周トレッキング

八幡平頂上バス停
↓八幡平自然散策バス1時間50分
盛岡駅

問い合わせ:八幡平市観光協会 TEL0195-78-3500

(出典:「旅行読売」2023年10月号)
(Web掲載:2023年9月21日)

☛八幡平など東北エリアへのツアーはこちら

☛にっぽんの秋を彩る「紅葉」特集はこちら


Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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