「第75回 正倉院展」が奈良国立博物館で開催
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北倉 九条刺納樹皮色袈裟(宮内庁正倉院事務所提供)
聖武天皇の遺愛品を公開、期間は10月28日〜11月13日開催
「第75回 正倉院展」が10月28日〜11月13日、奈良市の奈良国立博物館で開催される。
正倉院宝物の歴史は756年、聖武(しょうむ)天皇の遺愛品を光明皇后が東大寺の大仏に献納したことに始まる。同展では約9000件に上る宝物の中から毎年、約60件が公開される。
今年の注目は、遺愛品目録の筆頭に記載されている「九条刺納樹皮色袈裟(くじょうしのうじゅひしょくのけさ)」(刺し子縫いの袈裟)。聖武天皇の仏教への篤(あつ)い信仰を象徴する、屈指の名宝だ。
そして「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんのそうのびわ)」(螺鈿飾りの四弦琵琶)は、きらびやかな螺鈿の装飾が目を引く一方、撥(ばち)受けに描かれた山水画が奈良時代の貴人たちの異国趣味を伝える。
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東大寺など大寺院を飾った多彩な仏具類も見逃せない。「碧地金銀絵箱(へきじきんぎんえのはこ)」(花鳥文様の脚付き箱)や「青斑石鼈合子(せいはんせきのべつごうす)」(スッポン形の蓋<ふた>物)などを通じ、奈良時代の信仰世界の奥行きと広がりに触れられる。入館料は一般2000円ほか(事前予約制)。
詳細は公式ホームページで
文/天野久樹
(出典:「旅行読売」2023年11月号)
(Web掲載:2023年9月27日)