【旅と駅弁・駅麺】どちらも食べたい!シウマイ弁当 東西食べ比べ
(右)シウマイ弁当(崎陽軒)/現在のデザインは1995年からの4代目。龍が持つ水晶玉の中に横浜ランドマークタワーや横浜ベイブリッジなどが描かれている。本社工場と横浜工場で製造されるシウマイ弁当は紐かけスタイル、東京工場はかぶせ蓋スタイル。(左)関西シウマイ弁当(まねき食品)/水晶玉と虎が描かれている。水晶玉の中には姫路城や通天閣、大文字焼き、大仏など、関西の観光地を並べる。容器には経木折を使い、崎陽軒のシウマイ弁当と同じサイズ。できる限りオリジナルに近付けるよう工夫した。
関東の駅弁で不動の人気を誇る横浜・崎陽軒のシウマイ弁当と、コロナ禍で異例のコラボレーションが実現し誕生した、姫路・まねき食品の関西シウマイ弁当。東と西で食の好みが異なるというけれど、どんな違いがあるのだろう。ぜひあなたも食べ比べてみませんか。
シウマイ弁当と関西シウマイ弁当、どこが違う?
横浜の駅弁といえば、真っ先に思い浮かぶのがシウマイ弁当だろう。崎陽軒は1908年創業。28年に販売を始めたシウマイは冷めてもおいしいと横浜名物になり、54年にはシウマイ弁当を発売。以来、二枚看板として広く長く親しまれてきた。
コロナ禍による外出自粛で駅弁業界も大きな打撃を受けた。そんな苦境下に立ち上がったのが、姫路で駅弁や「えきそば」を手掛けるまねき食品だ。同社は1889年、日本初の幕の内駅弁当を販売した老舗で、崎陽軒にシウマイ弁当のコラボレーションを打診し快諾を得た。
シウマイ弁当(崎陽軒)
関西シウマイ弁当(まねき食品)
「おいしいもので人を元気にしたい。駅弁業界から経済を盛り上げたいと考えたんです」とまねき食品営業一部部長の岩本健司さんは振り返る。
商品開発に1年半を費やし、2021年11月、関西シウマイ弁当が誕生。崎陽軒がつくる関西シウマイは、揺れる列車の中でも食べやすい一口サイズはそのままに、昆布だしや鰹(かつお)節などを加えているのが関西らしく、刻みレンコンの食感もいい。
一番苦労したのは冷めてもおいしいご飯の水分量だったそう。上に載っている小梅とゴマの色など細かな違いも面白い。
文/堀内志保
(出典:旅行読売2023年12月号)
(Web掲載:2023年12月8日)