のんびりと普通列車に揺られながら、途中下車の旅を楽しみたい(青谷―泊間)
駅の御朱印ともいえる「鳥鐵駅印」の第5弾・山陰本線・東編が2023年10月1日から始まった。ぶらり途中下車し、海、山、温泉と魅力満載の鳥取県東部の旅へ。
ユネスコ世界ジオパーク、城、昔町を巡る
昨秋スタートした鳥鐵駅印「山陰本線・西編」から1年。新たに始まった東編とあわせて、鳥取県内の山陰本線の全駅を「制覇」できる。
今回の旅は、東端の東浜駅からスタート。ガラス張りのモダンな東浜駅を出るとすぐ、右手車窓に浦富海岸の絶景が広がり、心が躍る。続く岩美駅、大岩駅は構内に桜が立ち並び、春には写真に収める人たちでにぎわう。
高架駅の鳥取駅を出発。鳥取大学前駅を出ると左手に湖山池が広がる。日本一広い池として有名だ。末恒(すえつね)駅と宝木(ほうぎ)駅の間では、右手に渡り鳥の飛来地である水尻池が眺められる。
「この区間は道路から離れている所があるので、山陰本線でしか見られない景色を楽しんでください」と倉吉観光MICE協会の塩川修さん。
東浜駅から鳥取市内までは、山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク内を走っていたが、しだいに平野から山間へと車窓の景色が変わっていく。変化に富んだ風景が楽しめるのも、山陰本線・東編の魅力の一つだ。
レトロな駅舎が歴史を伝える
今回の山陰本線のルートは明治時代に徐々に東へ延伸していった。まず、倉吉―松崎間が1904年に開業。松崎―青谷間が05年、青谷―鳥取仮停車場間が07年、鳥取―岩美間が10年、岩美―浜坂(兵庫県)がその翌年にそれぞれ開通した。
その歴史を物語るように駅も郷愁を誘う。かつて急行が停車した岩美、浜村、青谷、松崎の各駅は無人化されたが、重厚な駅舎は健在だ。待合室のみの小さな駅も旅情が感じられる。
終着の倉吉駅は85年まで山守駅を結ぶ倉吉線が分岐していた。今も一部に廃線跡が残る。倉吉市内の観光にあわせて、国宝・投入堂が立つ三佛寺やラジウム含有量が世界有数の三朝(みささ)温泉にも足をのばしたい。
山陰本線・東編 ~鳥鐵駅印&駅周辺情報~
東浜駅
浦富海岸
岩美駅
大岩駅
福部駅
鳥取駅
鳥取城
砂の美術館
湖山駅
鳥取大学前駅
鳥取港海鮮市場 かろいち
天然海水いけす 海陽亭
末恒駅
白兎神社
宝木駅
浜村駅
青谷駅
泊駅
松崎駅
東郷池
倉吉駅
倉吉白壁土蔵群
倉吉線鉄道記念館
町屋 清水庵
山陰本線・東編 鳥鐵駅印帳、鳥鐵駅印の販売所
鳥取県が開始した「鳥鐵駅印」。第5弾「山陰本線・東編」のオリジナル駅印(各300円)と鳥鐵駅印帳(1650円)を下記の6か所で発売中。
■東浜駅、岩美駅、大岩駅
岩美町観光協会...岩美町浦富783-8(岩美駅隣)/TEL:0857-72-3481/12月30日~1月4日休/9時~18時
■福部駅、鳥取駅、湖山駅、鳥取大学前駅、末恒駅、宝木駅、浜村駅、青谷駅
鳥取市観光案内所...鳥取市東品治町111-1(鳥取駅構内)/TEL:0857-22-3318/無休/8時30分~17時、12月31日~1月3日は10時~15時
鳥取市ふるさと物産館...鳥取市末広温泉町160 日交本通りビル1階(鳥取駅から徒歩5分)/TEL:0857-36-3767/12月31日、1月1日休/9時~19時、1月2日~3日は10時~15時
■泊駅、松崎駅
総合相談センターどれみ...湯梨浜町旭400-6(松崎駅近接)/TEL:0858-32-0801/火曜、12月29日~1月3日/9時~17時
■倉吉駅
倉吉駅内観光案内所...倉吉市上井195-12(倉吉駅ビル1階)/TEL:0858-24-5370/1月1日/9時~17時
倉吉白壁土蔵群観光案内所...倉吉市魚町2568-1(倉吉駅からタクシー15分)/TEL:0858-22-1200/無休/9時~ 17時(年末年始は時間短縮営業)
<購入のポイント>
●駅印を購入するには、販売所でその路線を含む乗車券(有効期限内のもの)と鳥鐵駅印帳の持参、提示が必要。
●行きの乗車券は下車する際、乗務員、駅係員の証明を受けると持ち帰ることが可能。
●同じ駅の駅印を2枚以上購入する場合には、購入枚数と同じ数の鳥鐵駅印帳の提示が必要。
●全14駅の鳥鐵駅印を集めて、販売所に持参するとオリジナル特製ポスターを進呈。
鳥鐵駅印 第1弾~4 弾も好評実施中!
2021年秋、「伯備線編」(伯耆大山―上石見の全10駅)から始まった鳥鐵駅印は、「若桜鉄道編」(郡家―若桜の全9駅)、「山陰本線・西編」(下北条―米子の全14駅)、「因美線・智頭急行編」(鳥取―那岐・智頭―山郷の全14駅)と続き、それぞれ駅印を好評販売中。販売所など詳細は鳥取県観光連盟のホームページへ。
◎「鳥取鐵印」の問い合わせ 鳥取県観光交流局観光戦略課 TEL:0857-26-7237
◎鳥取県の観光の問い合わせ 鳥取県観光連盟 TEL:0857-39-2111
(出典:「旅行読売」2024年1月号)
(WEB掲載:2023年12月12日)
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