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鳥鐵駅印の旅 山陰本線・東編<東浜駅―倉吉駅>

場所
> 鳥取市、倉吉市、岩美郡
鳥鐵駅印の旅 山陰本線・東編<東浜駅―倉吉駅>

のんびりと普通列車に揺られながら、途中下車の旅を楽しみたい(青谷―泊間)

 

駅の御朱印ともいえる「鳥鐵駅印」の第5弾・山陰本線・東編が2023年10月1日から始まった。ぶらり途中下車し、海、山、温泉と魅力満載の鳥取県東部の旅へ。

鳥取県が開始した「鳥鐵駅印」。第5 弾「山陰本線・東編」のオリジナ ル駅印(各300円)と鳥鐵駅印帳(1650円)を6か所で発売中

ユネスコ世界ジオパーク、城、昔町を巡る

昨秋スタートした鳥鐵駅印「山陰本線・西編」から1年。新たに始まった東編とあわせて、鳥取県内の山陰本線の全駅を「制覇」できる。

今回の旅は、東端の東浜駅からスタート。ガラス張りのモダンな東浜駅を出るとすぐ、右手車窓に浦富海岸の絶景が広がり、心が躍る。続く岩美駅、大岩駅は構内に桜が立ち並び、春には写真に収める人たちでにぎわう。

高架駅の鳥取駅を出発。鳥取大学前駅を出ると左手に湖山池が広がる。日本一広い池として有名だ。末恒(すえつね)駅と宝木(ほうぎ)駅の間では、右手に渡り鳥の飛来地である水尻池が眺められる。

「この区間は道路から離れている所があるので、山陰本線でしか見られない景色を楽しんでください」と倉吉観光MICE協会の塩川修さん。

東浜駅から鳥取市内までは、山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク内を走っていたが、しだいに平野から山間へと車窓の景色が変わっていく。変化に富んだ風景が楽しめるのも、山陰本線・東編の魅力の一つだ。

紺碧の海に赤いキハ47の車両が映える(東浜駅付近)

レトロな駅舎が歴史を伝える

今回の山陰本線のルートは明治時代に徐々に東へ延伸していった。まず、倉吉―松崎間が1904年に開業。松崎―青谷間が05年、青谷―鳥取仮停車場間が07年、鳥取―岩美間が10年、岩美―浜坂(兵庫県)がその翌年にそれぞれ開通した。

その歴史を物語るように駅も郷愁を誘う。かつて急行が停車した岩美、浜村、青谷、松崎の各駅は無人化されたが、重厚な駅舎は健在だ。待合室のみの小さな駅も旅情が感じられる。

終着の倉吉駅は85年まで山守駅を結ぶ倉吉線が分岐していた。今も一部に廃線跡が残る。倉吉市内の観光にあわせて、国宝・投入堂が立つ三佛寺やラジウム含有量が世界有数の三朝(みささ)温泉にも足をのばしたい。

山あり海ありと変化に富んだ車窓の風景も山陰本線・東編の魅力(泊―松崎間)

山陰本線・東編 ~鳥鐵駅印&駅周辺情報~

東浜駅

クルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS瑞風」 の停車駅。駅前に浦富海岸の一角、東浜海岸が広がる

浦富海岸

国の名勝、天然記念物。東西約15キロに及ぶ海岸に、日本海の荒波と風雪の浸食により千貫松島(写真)などの奇観が広がる。TEL:0857-72-3481(岩美町観光協会)/(東浜海岸へは)東浜駅からすぐ

岩美駅

浦富海岸島めぐり遊覧船乗り場や岩井温泉の最寄り

大岩駅

春にはホームが「桜のトンネル」に

福部駅

塩見駅として開業し、1949年に現駅名へ変更

鳥取駅

高架駅舎。非電化区間であるため、ホームに架線がないのが特徴的

鳥取城

国の史跡。中世と近世の城の遺構があることから「城郭の博物館」と称される。因州和紙を使った御城印300円は地元の書家・柴山抱海氏によるデザイン。見学自由/TEL:0857-22-3318(鳥取市観光案内所) /鳥取駅からタクシー9分

砂の美術館

「砂で世界旅行」をテーマにした砂像の美術館。2024年1月3日まで、エジプト編を開催中。ギザのピラミッドや大スフィンクスなど、巨大かつ繊細な砂の彫刻像に驚く。2023年12月9日〜24日は3Dプロジェクションマッピングを実施。2024年4月19日から「フランス編」を開催予定。 9時~16 時30分(土曜は~17時30分) ※プ ロジェクションマッピング実施日~19時30分(土・ 日曜は~20時)/2024年1月4日~4月18日休/800円/TEL:0857-20-2231/鳥取駅からタクシー15分

湖山駅

駅印には、日本最大の池・湖山池をデザイン

鳥取大学前駅

特急スーパーまつかぜとスーパーおきが停車

鳥取港海鮮市場 かろいち

日本海の魚介類が水揚げされる賀露港(鳥取港)に隣接。鮮魚店、飲食店、物販店がそろい、冬は松葉がにがイチ押し。 9時~16時/元日休(飲食店の営業時間や休みは店舗により異なる)/TEL:0857-38- 8866/鳥取大学前駅から徒歩35分

天然海水いけす 海陽亭

「かろいち」にある食事処。店内に大きないけすがあり、船から生きたままの魚介類を運び、注文を受けてから調理。鮮度は抜群 だ。もさ海老丼(9月〜5月限定)2980円、海鮮丼2800円がおすすめ。 11時〜14時・17時〜20時/水曜休/TEL:0857-31-4649

末恒駅

2面のホームにそれぞれ小さな待合室がある

白兎神社

「古事記」の白兎神話の舞台。大国主命と八上姫の縁を取りもった白兎神を祀り、縁結びの神様として信仰を集める。結び石500円、白うさぎに入ったおみくじ500円が人気。 境内自由(社務所は9時~16時)/TEL:0857-59-0047/末恒駅から徒歩25分

宝木駅

駅印には、貝殻漁の舟歌「貝がら節」をデザイン

浜村駅

浜村温泉の最寄りで駅前に足湯がある

青谷駅

国史跡で弥生時代の青谷上寺地(かみじち)遺跡へは駅から徒歩5分。駅舎内にはランプシェードに特産の因州和紙を使った照明

泊駅

2022年7月、木造りの駅舎が完成

松崎駅

青い屋根の駅舎と三角屋根の車寄せが印象的。東郷池に近く東郷温泉へは徒歩圏内

東郷池

湯梨浜町に広がる山陰八景の一つ。南岸に東郷温泉、西岸にはわい温泉が湯けむりを上げる。かつての漁法・四ツ手網のモニュメントは撮影スポットとして有名。見学自由/TEL:0858-35-4052(湯梨浜町観光協会)/松崎駅から徒歩3分

倉吉駅

1903年、倉吉駅として開業し、12年に上井(あげい)駅と改称。72年に再び倉吉と駅名が戻った歴史をもつ

倉吉白壁土蔵群

玉川沿いを中心に白漆喰の壁、焼杉の黒い腰板、赤い石州瓦の屋根が印象的な蔵の町並みが広がる。見学自由/TEL:0858-22-1200(倉吉白壁土蔵群観光案内所)/倉吉駅からタクシー15分

倉吉線鉄道記念館

旧倉吉線の打吹駅跡に立つ。1912年(明治45)開業し、その後の倉吉線の歴史を伝える貴重な写真や資料を展示。貨車移動機とSL「C11」も静態保存。 9時~16時30分/無休/無料/TEL:0858-22-8158(倉吉市観光交流 課)/倉吉白壁土蔵群から徒歩3分

町屋 清水庵

倉吉白壁土蔵群にある明治築という町屋を利用した食事処。餅しゃぶが名物で、 十二単をイメージした12色の餅の「十二単餅しゃぶ」1200円は彩り鮮やか。11時〜14時・17時〜19時頃(水曜は昼のみ)/火曜休/TEL:0858-22-4759

山陰本線・東編 鳥鐵駅印帳、鳥鐵駅印の販売所

鳥取県が開始した「鳥鐵駅印」。第5弾「山陰本線・東編」のオリジナル駅印(各300円)と鳥鐵駅印帳(1650円)を下記の6か所で発売中。

■東浜駅、岩美駅、大岩駅
岩美町観光協会...岩美町浦富783-8(岩美駅隣)/TEL:0857-72-3481/12月30日~1月4日休/9時~18時

■福部駅、鳥取駅、湖山駅、鳥取大学前駅、末恒駅、宝木駅、浜村駅、青谷駅
鳥取市観光案内所...鳥取市東品治町111-1(鳥取駅構内)/TEL:0857-22-3318/無休/8時30分~17時、12月31日~1月3日は10時~15時
鳥取市ふるさと物産館...鳥取市末広温泉町160 日交本通りビル1階(鳥取駅から徒歩5分)/TEL:0857-36-3767/12月31日、1月1日休/9時~19時、1月2日~3日は10時~15時

■泊駅、松崎駅
総合相談センターどれみ...湯梨浜町旭400-6(松崎駅近接)/TEL:0858-32-0801/火曜、12月29日~1月3日/9時~17時

■倉吉駅
倉吉駅内観光案内所...倉吉市上井195-12(倉吉駅ビル1階)/TEL:0858-24-5370/1月1日/9時~17時
倉吉白壁土蔵群観光案内所...倉吉市魚町2568-1(倉吉駅からタクシー15分)/TEL:0858-22-1200/無休/9時~ 17時(年末年始は時間短縮営業)

<購入のポイント>
●駅印を購入するには、販売所でその路線を含む乗車券(有効期限内のもの)と鳥鐵駅印帳の持参、提示が必要。
●行きの乗車券は下車する際、乗務員、駅係員の証明を受けると持ち帰ることが可能。
●同じ駅の駅印を2枚以上購入する場合には、購入枚数と同じ数の鳥鐵駅印帳の提示が必要。
●全14駅の鳥鐵駅印を集めて、販売所に持参するとオリジナル特製ポスターを進呈。

鳥鐵駅印 第1弾~4 弾も好評実施中!

2021年秋、「伯備線編」(伯耆大山―上石見の全10駅)から始まった鳥鐵駅印は、「若桜鉄道編」(郡家―若桜の全9駅)、「山陰本線・西編」(下北条―米子の全14駅)、「因美線・智頭急行編」(鳥取―那岐・智頭―山郷の全14駅)と続き、それぞれ駅印を好評販売中。販売所など詳細は鳥取県観光連盟のホームページへ。

◎「鳥取鐵印」の問い合わせ 鳥取県観光交流局観光戦略課 TEL:0857-26-7237
◎鳥取県の観光の問い合わせ 鳥取県観光連盟 TEL:0857-39-2111

(出典:「旅行読売」2024年1月号)
(WEB掲載:2023年12月12日)

 

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Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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