【天空の紅葉旅】吊り橋やロープウェイからの那須の眺望（２）
那須ロープウェイに乗って空から眺める鬼面山と朝日だけの紅葉
ロープウェイで一気に茶臼岳の懐へ
【天空の紅葉旅】吊り橋やロープウェイからの那須の眺望（１）から続く
そろそろ休暇村那須に戻ろう。まずはロビーでウェルカムドリンクとドーナツのサービス。「モテナス」と題したおもてなしの一つで、ほかにも大浴場そばの湯上がりアイスや焼きいもなど季節の夜食、女湯のシャンプーバーなども無料だ。
「客室は那須野が原と雲海が見える南館が人気ですが、紅葉時期は那須連山を望む東館の問い合わせが多くなります」と副支配人の城戸太さん。黄色やオレンジに色付く周辺の木々の向こうに、真っ赤に染まる鬼面山や朝日岳が見える。客室の広縁で贅沢（ぜいたく）な眺望を独り占めしたい。
大丸（おおまる）温泉から引湯する単純温泉で疲れを癒やし、地元食材に力を入れた夕食ビュッフェを堪能し、早めに眠りに就いた。
翌日は茶臼岳に登る。標高1390メートルの山麓駅から1684メートル（９合目）の山頂駅までを那須ロープウェイが約４分で結ぶ。クマザサが覆う斜面に濃い赤が映える鬼面山や朝日岳が見渡せる。ロープウェイに乗るだけでも価値があるだろう。
山頂駅から多くの人が目指す紅葉名所が姥（うば）ヶ平だいら。山頂へ向かう道を左に折れ、ほぼ平坦な道を30分ほど歩いて牛ヶ首へ。そこから20分下ったところで、360度紅葉した山々に囲まれる箱庭のような景色だ。ドウダンツツジやナナカマドといった赤く色付く樹木が多く、高山植物のハイマツや五葉松の緑がそれらを引き立てる。白煙たなびく茶臼岳を紅葉越しに眺めるのは圧巻だ。
帰りは、那須湯本で白濁の鹿の湯から源泉を引く「小鹿の湯」で汗を流し、那須高原の話題の新スポット「GOOD NEWS（グッド ニュース）」にも寄ってみよう。
文／野水綾乃
■ 8 時30 分～ 16 時／往復1800円／東北新幹線那須塩原駅からバス1時間10分、山麓駅下車すぐ／☎0287･76･2449
小鹿の湯
那須温泉発祥の｢鹿の湯｣から自然流下で引く白濁の硫黄泉が実にまろやか。木造の風情ある内湯と露天風呂があり、夕方からは地元の常連が多い。男湯が木造、女湯が陶器の壺風呂の露天は眺望こそないが、ぬるめで源泉を堪能できて、登山後の疲労回復にも最適。
■9時～20時／無休／入浴料500円／東北新幹線那須塩原駅からバス40分、湯本1丁目下車すぐ／TEL:0287･76･2333
複合施設｢GOOD NEWS｣内に今年6月オープンしたタルト専門店。那須町と益子町の耕作放棄地で放牧酪農を行う森林ノ牧場のジャージー牛の牛乳をたっぷり使う。牛乳の甘さが引き立つ森のタルトと、放牧卵を加えた麓のタルトの２種あり、各3個入り972円〜。
■9時～17時／第2木曜休／東北新幹線那須塩原駅からバス25分、田代友愛小学校下車徒歩6分／https://gooooodnews.com/neighbors/649/
※掲載時のデータです。
（出典：「旅行読売」2023年10月号）
（Web掲載：2023年10月4日）
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