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【ご当地あんこの世界】富士アイス 上田店の「志゛(じ)まんやき」

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 長野県
> 上田市
【ご当地あんこの世界】富士アイス 上田店の「志゛(じ)まんやき」

店先のほかライブカメラでも焼いているところを見られる

 

1日1000個以上売れる上田市民のソウルフード

戦国武将・真田家ゆかりの城下町・上田。中心部の海野(うんの)町商店街の中ほどに行列の絶えない店がある。お目当ては志゛まんやき。金属製の丸い型に生地を流し込み、中にあんこやカスタードクリームを入れて焼き上げる。今川焼きや大判焼き、回転焼きの名でなじみの地域もあるだろう。

懐かしさを感じる店構え。土、日曜のほか、冬にかけてが特に忙しい時期だ
志゛まんやきはあんことカスタードクリームの2種で各100円。あんこは北海道十勝産の小豆を使い、8時間以上かけて作っている ※掲載時のデータです

1935年、富士屋の屋号で創業し、夏にアイスキャンディーを販売したことから現在の名になった。3代目の北川大(だい)さんは志゛まんやきの由来について「珍しい表記なので興味を引きやすく、読み方通り自慢できる品もでき、縁起の良い志の字を当てたのかもしれません。それから初代の奥さん『志ん』の名から一文字取ったのかなとも思います」と語る。

創業当時のにぎわいを伝える写真。長い間、通い続けるお客さんも多い
創業時の写真にも、看板やのれん、のぼり旗などに志゛まんやきの名が見える

手にした志゛まんやきは温かくて重量感と厚みを感じる。パクリと食べると皮は薄くて、あんこがたっぷり。店で手作りされている粒あんは小豆の風味が感じられ、甘さは控えめだ。ボリュームがあるのにくどくなく、続いてカスタードにも手が出る。こちらも卵の風味とほどよい甘さが絶妙だ。富士アイスは県内のほか、山梨、岐阜、千葉にも店を構え、各店であんこの味が違う。食べ比べもおすすめだ。

 


富士アイス 上田店

9時30分〜19時(売り切れ次第終了)/火曜休(不定休あり)/北陸新幹線上田駅から徒歩10分/上信越道上田菅平ICから国道144号、県道79号経由3キロ/上田市中央2-10-14/TEL:0268-22-1077

文/堀内志保

(出典:旅行読売2023年11月号)
(Web掲載:2023年11月6日)


Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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