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【旅と駅弁・駅麺】ダーリンハニー吉川正洋さんと行く「東海道日帰り駅弁・駅麺の旅」(2)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 静岡県
> 伊豆市、富士市
【旅と駅弁・駅麺】ダーリンハニー吉川正洋さんと行く「東海道日帰り駅弁・駅麺の旅」(2)

天浜線のホームに移動してうなぎ弁当を実食する吉川さん

 

よしかわ・まさひろ

1977年、東京都生まれ。お笑いコンビ「ダーリンハニー」で活動。鉄道通の芸人としてイベントやトークショー、NHK「鉄オタ選手権」やCS鉄道チャンネル「新・鉄道ひとり旅」に出演。著書に『ダーリンハニー吉川の全国縦断鉄博巡り』(メタモル出版)。

人気の駅そばと浜名湖産にこだわったうなぎ弁当を味わう

【旅と駅弁・駅麺】ダーリンハニー吉川正洋さんと行く「東海道日帰り駅弁・駅麺の旅」(1)から続く

三島駅まで引き返し、東海道線に乗り換えて富士駅へ。ここで人気の駅そばを味わう。身延(みのぶ)線ホームにある「富陽軒(ふようけん)」のかき揚げそばだ。大正時代から駅弁を販売しており、1964年頃に駅そばも開店。コロナ禍で休業を余儀なくされたが、現在は開店時間を11時~14時に短縮して営業している。それでも、北海道産の昆布と焼津産のカツオ節を使った特製つゆと、注文を受けてから揚げるかき揚げが評判で売り切れる日もあるという。吉川さんは「駅そばはやはり立ち食いがいい。冬は湯気がもうもうと上がって風情がある」と、おいしそうに麺をすすってかき揚げにかぶりついた。

富士駅の富陽軒の店先で熱々のそばをすする吉川さん
富陽軒のかき揚げそば430円。揚げたてのかき揚げを出すようになったのは2013年から ※掲載時のデータです
揚げたてのかき揚げを麺の上に載せて出来上がり
左/身延線ホームで営業する富陽軒の駅そば店 中/シンプルなお品書きは昔ながらのスタイル 右/富士駅のホームに入線した身延線

再び東海道線で静岡、浜松を過ぎ、愛知県境に近い新所原駅で降りる。隣接した天竜浜名湖鉄道天浜線の駅構内にある「駅のうなぎ屋やまよし」は、浜名湖産にこだわったうなぎ弁当で知られる。「ロケで来た時に駅に漂う香ばしい匂いがたまらず、後日、プライベートで食べに来たのが最初。こんな贅沢(ぜいたく)な駅弁があるのかと驚きました」と吉川さん。おすすめは一尾まるごと使った「一本入りうなぎ弁当」。駅のホームで開封すると、蒲(かば)焼きの香りが放たれる。「パリッとした食感がたまりません。大満足」と勢いよくかき込んだ。

店主の山田瑞枝(みずえ)さんによると、地元の養鰻(ようまん)業者だった夫忠義(ただよし)さんが「自分で育てた浜名湖産のうなぎを食べてもらおう」と開店。現在はコロナの影響や仕入れ値高騰に苦しみながらも、娘の真依子(まいこ)さん夫婦とともに懸命に店の味を守る。

山田さんから店を守る苦労などについて聞く。営業は10時30分〜18時、火曜休 ※掲載時のデータです
新所原駅に到着した天浜線の車両

帰りの東海道線で、吉川さんは今回の旅をこう振り返った。「いろんなバリエーションを味わえ、店の方々の話を聞いて味へのこだわり、愛情を知ることができた。それぞれの駅弁に物語があって今の姿になっている。全国の駅弁を食べに行きたくなりました」。早くも次の駅弁に思いをはせているようだった。

【駅弁版 極(きわめつけ) 富士宮やきそば弁当(富陽軒)】名物の富士宮やきそばは、エビ、イカ、ホタテ、野菜など具がたっぷり。わさ びご飯に牛肉も添えられ、ボリュームたっぷりだ。加熱式容器で熱々に。東海道新幹線の新富士駅で販売。富士駅では売っていない。1200円。 ※掲載時のデータです

文/山脇幸二 
写真/阪口 克

【日帰りモデルコース】

東京駅
 ↓   9:00発
 特急踊り子3号
 ↓  11:08着
修善寺駅
 ↓  12:35発
 特急踊り子8号
 ↓  13:01着
三島駅
 ↓  13:09発
 東海道線
 ↓  13:34着
富士駅
 ↓  14:34発
 東海道線
 ↓  17:05着
新所原駅

※土曜、休日用ダイヤ

イラスト/吉井みい

浜名湖名産のうなぎを丸ごと一本焼き上げた
<一本入りうなぎ弁当>
●2800円【新所原駅】天竜浜名湖鉄道/TEL:053-577-4181【駅のうなぎ屋やまよし】 ※掲載時のデータです


(出典:「旅行読売」2023年12月号)
(Web掲載:2023年12月1日)


Writer

山脇幸二 さん

2022年6月に編集部に着任し、8月から編集長。読売新聞の記者時代は27年にわたって運動部でスポーツ取材に明け暮れた。一時は月の半分近くが出張という生活で、旅行しながら仕事しているような状態だった。今やその旅行が仕事になろうとは…。趣味はロック鑑賞で、ライブやフェスに通うことで身も心も若さを保とうと悪あがきする。矢沢永吉さんを尊敬し、ともに歳を重ねていける幸せをかみしめる日々。

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