【旅と駅弁・駅麺】九州駅弁グランプリの受賞駅弁を1日で満喫(1)
第13回九州駅弁グランプリ グランプリ受賞の「花の待つ駅 かれい川」
薩摩の郷土料理を詰めたグランプリ受賞駅弁
JR6社の中でも、特に「駅弁」に対して理解があり熱心なのは九州と東日本ではなかろうか?
理由はJR九州では「九州駅弁グランプリ」、JR東日本では「駅弁味の陣」を定期的に開催し、駅弁会社を応援しているからだ。とりわけ九州駅弁グランプリは通算13回を数える人気イベント。今回は、第13回九州駅弁グランプリ(2023年3月3日)にて、グランプリと準グランプリを受賞した三つの駅弁を1日で食べる旅に出発しよう。
空路で鹿児島空港に降り立った私は、鹿児島交通の路線バスに乗って嘉例川駅に向かった。所要時間はわずか6分、実は、嘉例川駅は鹿児島空港に最も近い鉄道駅なのである。同駅にて土・日曜、祝日限定で販売される駅弁が、第13 回九州駅弁グランプリで見事グランプリに輝いた「花の待つ駅 かれい川」。この駅弁の作者、森の弁当やまだ屋の山田まゆみさんは次のように語る。
「嘉例川駅は今年で築120年になります。駅周辺は春になると、山桜、ソメイヨシノ、岩ツツジが一斉に咲くんです。この駅を訪れる人を花でおもてなししたいという思いを、薩摩の郷土料理を詰めたお弁当にしてみました。黒米は桜の花、卵焼きは黄色の特攻花(菊の一種)、梅肉は彼岸花、白いサトイモは野に咲くヒメジョオン……」
まさに駅弁で再現した「花の待つ駅かれい川」である。肥薩線は先年の豪雨によって、今なお八代(やつしろ)―吉松駅間が不通となっている。嘉例川駅に停車した特急「はやとの風」も廃止されてしまった。けれども、この駅弁を求めて嘉例川駅を訪れる旅人は少なくない。私もその一人である。
週末限定ということもあって、午前中に売り切れることも多い。ぜひ予約をおすすめしたい。
文・写真/櫻井 寛
【旅と駅弁・駅麺】九州駅弁グランプリの受賞駅弁を1日で満喫(2)へ続く(12月19日公開予定)
【日帰りモデルコース】
嘉例川駅
↓ 12:53発
肥薩線
↓ 13:10着
隼人駅
↓ 13:13発
日豊線
↓ 13:48着
鹿児島中央駅
↓ 14:17発
九州新幹線
↓ 15:03着
熊本駅
↓ 15:20発
九州新幹線
↓ 15:30着
新玉名駅
↓ 16:00発
九州新幹線
↓ 16:39着
博多駅着
※土曜、休日用ダイヤ
花の待つ駅 かれい川
◉1500円【嘉例川駅】肥薩線/TEL:090-2085-0020(森の弁当やまだ屋)※掲載時のデータです。
こちらも食べたい!
百年の旅物語 かれい川(森の弁当やまだ屋)
第4回九州駅弁グランプリから3年連続1位を受賞した嘉例川駅の駅弁。炊き込みご飯の上にシイタケとタケノコの煮物、天ぷらなどがのる。土・日曜、祝日のみ販売。1500円。※掲載時のデータです。
第14回九州駅弁グランプリとは?
エントリーされた九州各県の対象駅弁の中から、お客様投票によってグランプリが決まるイベントで、筆者の櫻井寛さんも特別審査員を務める。2004年に始まり、今年で14回目を迎える。
参加方法は簡単。対象店舗でエントリーされている駅弁を購入し「投票シール」の2次元コードにアクセス。味やこだわり、盛り付けやパッケージ、価格などを5段階で評価。さらに決勝大会で特別審査員の点数を加え、グランプリを決定する。第14回の投票締め切りは2024年2月11日。詳細はこちら。
(出典:「旅行読売」2023年12月号)
(Web掲載:2023年12月18日)