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【1万5000円で泊まる名湯の宿】開湯1200年の湯村温泉 湧泉の宿 ゆあむ

場所
> 美方郡
【1万5000円で泊まる名湯の宿】開湯1200年の湯村温泉 湧泉の宿 ゆあむ

山側にある「やまの湯」の露天風呂。美人の湯を楽しみたい

 

旅館とホテルの良さが融合、山陰に湧く和モダンな温泉宿

兵庫県北西部、閑寂な山峡に流れる春来川(はるきがわ)のほとりに湧く湯村温泉は約1200年前に開湯し、湯治場として親しまれてきた。そんな歴史ある温泉街の一角に、2023年2月に館内を一部リニューアルした「湧泉の宿ゆあむ」が佇(たたず)む。大阪駅近くのバスターミナルから高速バスが出ており、公共交通機関でのアクセスもいい。日頃の疲れを癒やしに、温泉宿へ向かった。

春来川沿いに立つ宿
窓越しに春来川を眺めながら専用橋を渡って館内へ

「ゆあむ」という宿名は湯治を意味する「湯あみ」に加え、「人の思いを編む宿」「出会いを編む場」の意味も込めているという。館内も「編む」をコンセプトに伝統工芸品の豊岡杞柳(きりゅう)細工などで装飾。旅館の趣とホテルの快適さを兼ね備えた和モダンな雰囲気だ。

豊岡杞柳細工の照明や小野のそろばんで作った時計などが飾られたフロント
宿オリジナルのロゴ入りの浴衣を用意している

「サービスは旅館のおもてなしの心を大切にしながら、プライベート性を重視し、ホテルと同様に仲居さんはいません。気兼ねなくゆっくりしたいお客様に人気ですよ」と広報の高木麻衣さん。

部屋は和室のほかにツイン(1泊2食1万8050円〜)、露天風呂または半露天風呂付き客室(1泊2食3万50円〜)もある。室内には、宿専属のティープロデューサーが厳選した緑茶とローズティーの茶葉があり、香り高い一杯を味わってから温泉へ向かう。

温泉は山側と川側に分かれ、朝と夜で男湯と女湯が入れ替わる。どちらも露天風呂と低温サウナ付きだ。源泉の温度は98度と日本屈指の高さ。加水してあっても体の芯まで温まるのが特徴で、寒い冬にはぴったりだ。トロリとした柔らかな湯は肌がツルツルになるうえ、保湿効果が高いのもうれしい。入浴後は湯上り処でアールグレイの紅茶や杜仲茶(とちゅうちゃ)などのお茶が飲める。

ゆったりとくつろげる純和風の本館の10畳和室
川側にある「かわの湯」。耳をすませば、川のせせらぎが聞こえる

夕食は日本海でとれた鮮魚や地元の契約農家の野菜などを使っている。「身体に優しい」がテーマの創作会席を味わった。12・1月はズワイガニ1品付き(1泊2食2万3050円〜)など、冬の味覚であるカニ料理のプランも用意されている。

翌朝は朝風呂を楽しんでから朝食へ。浜坂名物の竹輪(ちくわ)などが入ったせいろ蒸しや、地元の卵かけごはん専門店「但熊(たんくま)」から仕入れた生みたて卵の卵かけごはんなどを味わう。山陰の名湯と美味を満喫し、心身ともにリフレッシュできる旅だった。

朝食の卵かけごはんは地元産のコシヒカリに料理長厳選の牡蠣(かき)しょうゆで食べる

文/児島奈美


湧泉の宿 ゆあむ
TEL:0796-92-1101
住所:新温泉町湯1610
客室:トイレあり10畳和室など全34室
温泉: ナトリウム―炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉
食事:夕・朝食=食事処
料金(2人1室利用・税込み):2食付き平日1万7050円~ 休前日1万8050円~
※露天風呂あり
※ひとり泊可(平日のみ、+8700円)
交通:大阪から高速バス3時間~3時間30分の湯村温泉下車徒歩3分。山陰線浜坂駅からバス25分、薬師湯下車すぐ/山陰近畿道新温泉浜坂ICから7キロ

※料金等すべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年1月号)
(Web掲載:2023年12月30日)

☛読売旅行で行く「湧泉の宿 ゆあむ」のプランは こちら


Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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