（左）池上秀畝筆《旧高遠城之真景》（伊那市立高遠町歴史博物館蔵）（右）仁科盛信肖像画（個人蔵、伊那市立高遠町歴史博物館画像提供）

今は桜の名城として知られる高遠城で、武田軍VS織田軍の最後の激戦が繰り広げられたことを知る人は少ないかもしれない。城を死守しようとした仁科五郎盛信の思いをたどる。

伊那谷の河岸段丘の突端に造られた高遠城は戦国時代、武田信玄が南信州の拠点とした。1582年、伊那谷に侵攻した織田信長の嫡男・信忠を総大将とした5万の大軍勢に対し、信玄の5男・仁科五郎盛信は3千の兵で迎え撃った。衆寡（しゅうか）敵せず全滅したが、武田家の中でも徹底抗戦した武将として後に「新城神」として祀られた。

戦いがあった3月2日には、演劇を交えながらゆかりのスポットを巡るツアーが行われる。周囲にめぐらせた堀や土塁に守られた本丸や二ノ丸で激戦があったことに思いを巡らせながら歩きたい。

城は江戸時代も存続し、高遠藩主として保科氏、鳥居氏、内藤氏が城主を務めた。南信州では唯一、「日本100名城」に選定されている。

武田軍と織田軍の戦いの様子を、高遠城や周辺のゆかりの地を巡りながら体感する劇場型歴史探訪ツアー。行く先々に、戦のカギをにぎる歴史上の人物が登場する。
■3月2日開催。金額、内容等を含め下記へ問い合わせを。
■申し込み、問い合わせ／伊那谷ツーリズム TEL:0265-94-6002　※予約受付は2月16日まで

例年4月上旬に約1500本のタカトオコヒガンザクラが見頃を迎える。
■期間：開花～散り終わり
■入園：8時～17時（最盛期6時～21時）／600円
■問い合わせ／（一社）伊那市観光協会 TEL：0265-96-8100

【アクセス】
鉄道=中央線岡谷駅から飯田線45分の伊那市駅下車。徒歩3分の伊那バスターミナルからバス25分、高遠駅（バス停）下車徒歩20分

車=中央道伊那ICから国道361号経由13キロ

■問い合わせ／（一社）伊那市観光協会 TEL：0265-96-8100

※料金等すべて掲載時のデータです。

（出典：「旅行読売」2024年3月号）
（Web掲載：2024年2月6日）