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【新幹線で春は北陸へ】加賀温泉駅発 海辺の歴史町・橋立を散策し、山代・山中、2か所の古湯につかる(2)

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  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 石川県
> 加賀市
【新幹線で春は北陸へ】加賀温泉駅発 海辺の歴史町・橋立を散策し、山代・山中、2か所の古湯につかる(2)

総湯 写真/加賀市観光交流機構

 

山代温泉には、情緒漂う二つの共同浴場

【新幹線で春は北陸へ】加賀温泉駅発 海辺の歴史町・橋立を散策し、山代・山中、2か所の古湯につかる(1)から続く

加賀温泉駅から13分で山代温泉に到着。ここからは温泉三昧の旅だ。

まず山代温泉では、総湯と古総湯の二つの共同浴場へ。総湯の門は老舗旅館だった「旧吉野屋旅館」の門を移築したそう。歴史を感じながら中に入ると、地元の年配の方も多く利用していて、気さくな雰囲気に包まれて入浴できる。

続いて訪ねた古(こ)総湯は明治時代の総湯を復元した共同浴場。外観や浴室だけでなく、ただただ温泉につかるだけの「湯あみ」と呼ぶ入浴スタイルも再現。浴槽と同じフロアで服を脱ぎ、かけ湯をして入浴。おのずとレトロでカラフルなステンドグラスに目がいく。湯上がりは2階の休憩所でひと休み。総湯の売店で温泉たまごソフトクリーム(白玉子400円)を買い、温泉寺を参拝してから山中温泉へ向かった。

古総湯 写真/加賀市観光交流機構

山中温泉では、自然と伝統の美に包まれて

今回、山中温泉での宿泊先に選んだのは、「吉祥やまなか」。チェックイン後に本格鉄板焼レストランにて、目の前で焼き上げる加賀パンケーキが味わえるなど、多彩な無料サービスがうれしい宿だ。

「新幹線延伸によりアクセスが良くなり滞在時間も増える分、泊まるだけでなく、温泉街巡りなどもたっぷり楽しんでいただきたい。当館も4月からさらにサービスを充実させる予定です」と、広報担当の光黒浩貴さん。

写真のこおろぎ橋から黒谷橋間の約1.3キロが景勝地の鶴仙渓
「吉祥やまなか」の白鷺の湯の露天風呂。大聖寺川の自然豊かな景観やせせらぎに癒やされる
山中温泉の中心にある共同浴場「菊の湯」前にある足湯でひと休み

夕食までは、無料貸し出しの色浴衣で温泉街を散策。松尾芭蕉は『奥の細道』の旅で8泊9日も当地に逗と う留りゅうしたと知り、足湯につかり、雪が残る鶴仙渓(かくせんけい)へ足を延ばして思いをはせる。芭蕉が訪れたのは夏。冬であればどんな一句を残しただろうか。まさか江戸(東京)から3時間ほどでここまで来られるようになるとは、夢にも思わなかったであろうが。

文/児島奈美 写真/酒井羊一

🔳モデルコース
加賀温泉駅
  ↓バス25分(9:13発/9:38着)
北前船の里資料館
  ↓徒歩15分
加佐の岬
  ↓徒歩30分
やしま、スイーツ屋ハレルヤ
  ↓バス25分(13:39発/14:04着)
加賀温泉駅
  ↓バス13分(14:10発/14:23着)
山代温泉
  ↓バス19分(15:48発/16:07着)
山中温泉

※バスの時刻は変更になる場合があります
※観光の問い合わせは、加賀温泉駅構内(3月16日以降は駅前の商業施設「アビオシティ加賀」内)の加賀市観光情報センターへ。8時45分~17時30分(3月16日以降は9時30分~)/無休(3月16日以降は不定休)/TEL:0761-72-6678

  

古総湯

入浴しながら温泉の歴史や文化が楽しめる「体験型温泉博物館」。周辺には共同浴場を中心に旅館や商店が立ち並ぶ「湯の曲輪(まがわ)」という町並みが今も残り、昔ながらの湯の町風情を伝えている。
営業:6時~ 22時(12月~2月は7時~21時、第4水曜は12時~)/無休/500円(4月以降は700円、総湯との共通券700円〈4月以降は900円〉) 
交通:北陸線加賀温泉駅からバス15分、山代温泉下車すぐ/北陸道加賀ICから8キロ
問い合わせ:TEL0761-76-0144(山代温泉 総湯・古総湯)

総湯

広く明るい浴場に加水なしの源泉が満ちる。九谷焼のタイルの装飾も美しい。売店を併設し、源泉に8時間つけて作る名物の「温泉たまご」(白玉子90円、赤玉子100円)などを販売。
営業:6時~22時(第4水曜は12時~、売店は7時~19時)/無休/490円(古総湯との共通券700円〈4月以降は900円〉)
交通:上記の古総湯からすぐ
問い合わせ:TEL0761-76-0144(山代温泉 総湯・古総湯)

加賀温泉郷 泊まりたい宿

【山代温泉】 与謝野晶子や北大路魯山人ら文人墨客にも愛された。中心には明治時代の総湯を復元した公共浴場「古総湯」が立つ。北陸の旅の拠点としてもおすすめ。

森の栖(すみか)リゾート&スパ

森の中の小高い丘に立つ静かな宿。自然の緑に癒やされる露天風呂のほか、5000坪の庭園を望む四季回廊、温水プールなどを備える。部屋は和モダン、ジャグジー付きなど多彩。夕食は石川の旬魚や加賀野菜などを使った会席料理。

部屋数:全56室
金額:1泊2食2万4350円~
交通:北陸線加賀温泉駅から送迎15分(要予約)
住所:加賀市山代温泉14-27
問い合わせ:TEL0761-77-0150

男性露天風呂「樹林の湯」
シックなフロントロビー
春の旬魚旬菜会席(イメージ)

【山中温泉】 山間部に流れる大聖寺(だいしょうじ)川の景勝地、鶴仙渓沿いに温泉旅館が並ぶ。伝統芸能の「山中節」や山中漆器、九谷焼など、伝統文化も息づいている。

吉祥やまなか

白鷺大橋の近くに立ち、大聖川にせり出す露天風呂がある。旬を取り入れた加賀の山海の幸は、お造りや天ぷらで。豊富な華浴衣、貸切風呂、自分で豆からひくコーヒーなど、無料サービスが充実し、おもてなしの宿として人気。

部屋数:全44 室
金額:1泊2食2万6650円~
交通:北陸線加賀温泉駅から送迎25分(要予約) 
住所:加賀市山中温泉東町1丁目ホ14 - 3
問い合わせ:TEL0761-78-5656

輪島ふぐ和牛会席
大聖寺川沿いに立つ
伝統芸能「山中節」の舞や唄を毎晩鑑賞できる

足を延ばして

【片山津温泉】 
白山連峰を望む柴山潟湖畔に湧く。1653年発見と伝わるが、水中にある湯源の確保が難しく、1882年に開湯した。源泉は塩分が多く、体の芯まで温まる。湖畔のサイクリング、源泉を利用した晶子(あきこ)染めなども楽しめる。

■北陸線加賀温泉駅からバス11分、片山津温泉下車すぐ/北陸道片山津ICから5キロ/TEL:0761-74-1123(片山津温泉観光協会)


※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年4月号)
(Web掲載:2024年4月23日)


Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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