【新幹線で春は北陸へ】敦賀駅発 船からリフトから湖を眺め、湖底の地層の神秘を知る三方五湖(1)
平べったい形をしているので目線が低くなり、自然との一体感に浸れる(写真/美浜町レイクセンター)
水深、広さも異なる五つの湖 三方五湖
北陸新幹線延伸により新たな終着駅となる敦賀駅。その先には若狭湾が広がり、複雑な地形が織りなす風光明媚な景観と豊かな海の幸が待っている。敦賀駅からさらに西へ。北陸の海と神秘的な湖を巡るドライブに出発しよう。
最初の目的地は三方五湖。「五湖」は五つの湖? そう、三方湖、水月(すいげつ)湖、菅(すが)湖、久々子(くぐし)湖、日向(ひるが)湖の五つ。「三方」は? 少し難解で、語源を紐解くと三つの川を中心とした流れが1か所に集まって潟のようになっていたから「三潟」。それが転じて「三方」になったという。
そんな三方五湖に新しい乗り物が登場した。久々子湖の北岸に、昨年4月にリニューアルオープンした美浜町レイクセンターから出航する「電池推進遊覧船」だ。環境保全の観点から開発された、再生可能エネルギーを活用して走る国内初の遊覧船である。
さっそく乗船すると、音は静かで揺れも少なく、湖面を滑るように進んで行く。「野鳥も驚かないので近寄って観察できるんです」と、この日のガイドの山本久美さん。3月までは渡り鳥を見られる。
五つの湖はいずれも川や水路でつながっており、船は久々子湖を南下し、浦見(うらみ)川を通って水月湖へ向かう(川の水位により久々子湖のみの場合あり)。木々が迫る狭い川を抜け、五湖の中で一番大きい水月湖が広がると、乗客から歓声が上がった。ちょっとした探検気分も味わえるクルージングだった。
湖上遊覧の後は、絶景のドライブコースから湖を見下ろそうと、三方五湖レインボーラインを走る。急坂を上り急カーブを重ねて目指すのは、標高約400メートルの梅丈(ばいじょう)岳頂上の山頂公園。途中の車窓や展望所からも三方五湖や日本海をしばしば見下ろせたが、駐車場にクルマを置きリフトまたはケーブルカーで上る山頂公園からは、360度の大パノラマが広がり圧巻だ。カフェやテラス、足湯もあり、長時間いても飽きない。
山頂から見下ろす三方五湖は、青く美しい。しかしよく見ると、それぞれに色合いが異なり、いろいろな「青」があることに気付いた。汽水、淡水、海水とそれぞれに水質が異なり、水深もまちまちであることから、濃淡さまざまな「青」が見られると知った。
文/渡辺貴由 写真/齋藤雄輝
【新幹線で春は北陸へ】敦賀駅発 船からリフトから湖を眺め、湖底の地層の神秘を知る三方五湖(2)へ続く(4/27公開)
🔳モデルコース
敦賀駅
↓車20キロ
美浜町レイクセンター
↓車7キロ
レインボーライン山頂公園
↓車6キロ
旅館 入舟(泊)
↓車8キロ
福井県年縞博物館
↓車30キロ
日本海さかな街
↓車4キロ
氣比神宮
↓車4キロ
敦賀駅
営業:電池推進遊覧船は9時30分、10時45分、13時、14時15分、15時30分に出航/水曜休、年末年始休/1980円
住所:美浜町早瀬24-4-1
交通:舞鶴若狭道若狭三方ICから6キロ
問い合わせ:TEL0770-47-5960
営業:通行時間8時~18時
交通:舞鶴若狭道若狭三方ICから山頂公園駐車場まで8キロ
問い合わせ:TEL0770-47-1170
営業:9時~16時30分(ケーブル・リフト上り最終)/無休/1000円(ケーブル・リフト料金含む)、山頂公園駐車料金500円
住所:美浜町日向75-2-6
問い合わせ:TEL0770-47-1170
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年4月号)
(Web掲載:2024年4月26日)