越前たけふ駅から出発!越前和紙の里 紫式部公園・紫ゆかりの館
開業前の越前たけふ駅コンコース待合室。越前和紙が駅舎に華やかさを添えている
匠の技を目の前で見学! 体験も
田畑の中にたたずむ越前たけふ駅は、今回開業する金沢―敦賀駅間で唯一、新幹線のみの単独駅だ。駅舎には越前打刃物(うちはもの)、越前指物(さしもの)など、地元越前市にちなんだ要素が取り入れられている。コンコース待合室の壁に飾られた越前和紙もその一つ。職人技を見学できると聞き、「越前和紙の里」を訪ねた。
越前和紙の里通り周辺には歴史を学べる紙の文化博物館、和紙づくり体験を楽しめるパピルス館など数棟の施設が点在。卯立(うだつ)の工芸館では、伝統的な製法の和紙づくりを見学できる。
和紙の原料は主に楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)といった植物だ。「楮なら繊維が太くて長いため強い紙になるなど、それぞれ特色があります」と作業中の伝統工芸士、村田菜穂さん。漉槽(すきぶね)に水、紙料(紙の原料)、粘り(トロロアオイの粘液)を混ぜ、紙を漉(す)く。そして漉簀(すきす)でゆすり、厚みが均一になるように揺らしていく。頃合いは見た目だけで判断するそうで、経験がなせる匠の技。原料づくりから、紙漉き、乾燥までの一連の作業を見学できる、全国でも珍しい施設だ。
大河ドラマで注目度急上昇!紫式部の世界に触れる
越前市は今年の大河ドラマ「光る君へ」の主人公、紫式部が暮らした地としても注目されている。996年、父の藤原為時(ためとき)が越前守(えちぜんのかみ)に任命されたことに伴い、20代の多感な時期に越前で1年ほど生活したとされる。市内には紫式部公園があり、紫式部の像とともに平安時代の寝殿造庭園を再現。隣接する「紫ゆかりの
館」では、紫式部と越前の関わりをパネルや映像で紹介している。和紙人形で表現した、京の都から越前国へと移動する、式部ら46人の下向(げこう)行列は圧巻だ。
2月23日には武生中央公園内に「光る君へ 越前 大河ドラマ館」もオープンした。次は新幹線で再訪したい。
越前たけふ駅からの観光地
越前和紙の里 卯立の工芸館
営業:9時30分~16時30分(紙漉き見学は〜16時)/火曜休、年末年始休/紙の文化博物館との共通入館料300円
住所:越前市新在家町8-44
交通:北陸新幹線越前たけふ駅からタクシー10分/北陸道武生ICから5キロ
問い合わせ:TEL0778-43-7800
紫式部公園・紫ゆかりの館
営業:9時〜17時/月曜(祝日の場合は翌日)休、年末年始休/無料※紫式部公園は入園自由
住所:越前市東千福町21-12 交北陸新幹線越前たけふ駅からタクシー15分/北陸道武生ICから6キロ
問い合わせ:TEL0778-43-5013
道の駅 越前たけふ
2023年3月、越前たけふ駅前にオープン。1階には物産販売所やカフェ、観光案内所がある。飲食店も多数出店。2階にある飲食店は地元の鮮魚会社が運営しており、新鮮な海の幸を味わえる。写真(右)は「寿司割烹丸松」の「海鮮ひつまぶし」2400円。
■物産販売所9時〜18時、飲食店などは施設により異なる/元日休、第2水曜(祝日の場合は翌日)休/北陸新幹線越前たけふ駅からすぐ/北陸道武生ICから1キロ/TEL:0778-43-5661
文/星 裕水
写真/宮川 透
※料金などは掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年4月号)
(Web掲載:2024年3月25日)