【新幹線で春は北陸へ】私が好きな北陸(1) ~室井 滋さん、滝田洋二郎さん、辻口博啓さん~
北陸3県ゆかりの著名人に、おすすめの観光地やお気に入りの場所を聞きました
俳優 室井 滋さん<富山>
むろい・しげる
映画「居酒屋ゆうれい」「のど自慢」などで多くの映画賞を受賞。2012年日本喜劇人大賞特別賞、15年松尾芸能賞テレビ部門優秀賞を受賞。絵本『キューちゃんの日記』(北日本新聞社)、『チビのおねがい』(教育画劇)、エッセー『ヤットコスットコ女旅』(小学館)ほか著書多数。しげちゃん一座絵本ライブを各地で開催中。
富山県出身で、東京で暮らしながら、今も実家とお墓を守っています。富山にゆかりのある作家や作品を紹介する高志(こし)の国文学館(富山市)の館長も務めています。おすすめのスポットは宇奈月温泉と黒部峡谷。トロッコ電車の車内放送(沿線案内)のナレーションも私が担当しています。富山市内の博物館巡りの後、路面電車で岩瀬浜へ足を延ばして町並み散策するのも面白いですよ。夏場は立山観光もプランに入れてほしいですね。
【お気に入りの場所】
◉ 春の滑川(なめりかわ)の浜(滑川市)……ホタルイカは宝石箱が海底から浮かんでくるような美しさ。運がよければ蜃気楼(しんきろう)を見られるかも。
◉ ヒスイ海岸(朝日町)……砂利の浜辺でヒスイを探しながら、人生を振り返りたい。名物のタラ汁も最高ですね。
◉ 新湊(しんみなと)観光船(新湊市)……映画「人生の約束」のロケ地。海から川を上って町並みを見学。きっときと市場の魚も美味です。
映画監督 滝田洋二郎さん<富山>
たきた・ようじろう
1955年生まれ。85年に「コミック雑誌なんかいらない!」で注目を集める。2000年以降は「陰陽師」、「壬生義士伝」など時代劇を手がけた。08年には本木雅弘が納棺師を好演した「おくりびと」で、米アカデミー賞の最優秀外国語映画賞、日本アカデミー賞最優秀作品賞・監督賞、モントリオール世界映画祭グランプリなどを受賞。
福岡町(現・高岡市)に生まれ、高校時代まで過ごしました。現在も時々実家に帰省しており、高岡市観光親善大使も務めています。高岡を観光するなら、いずれも国宝の勝興(しょうこう)寺(越中一向一揆の拠点)と瑞龍(ずいりゅう)寺や、禅を体験できる国泰(こくたい)寺、大伴家持(おおとものやかもち)ゆかりの神社などの古刹(こさつ)で歴史的時間に浸った後、鋳物(いもの)製作を体験(能作<のうさく>ほか)。「忍者ハットリくん列車」に飛び乗り、氷見(ひみ)温泉郷で海の幸を堪能するのもよいでしょう。
【お気に入りの場所】
◉ 雨晴(あまはらし)海岸(高岡市)……牛若丸と弁慶一行が雨宿りしたとされる。海越しの立山連峰が絶景。
◉ ドラえもんに会えるコース(高岡市)……ドラえもんの作者・藤子・F・不二雄の出身地を巡る。子どもとの思い出に。
◉ ミュゼふくおかカメラ館(高岡市)……安藤忠雄氏設計。クラシックカメラの展示や写真展は必見。近くの大喜寿しのおもてなしで一献。
パティシエ 辻口博啓さん<石川>
つじぐち・ひろのぶ
1967年生まれ。洋菓子店「モンサンクレール」(東京)オーナーシェフ。クープ・デュ・モンドをはじめ数々の世界大会や品評会で好成績を収めている。スーパースイーツ製菓専門学校(石川)校長、日本スイーツ協会代表理事として、後進の指導やスイーツ文化の普及・発展にも積極的に取り組む。石川県観光大使も務める。
18歳まで七尾市で育ち、現在は金沢市内などでパティスリー「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」を運営しています。住まいは東京ですが、月に3日間は石川県に滞在しています。妹と弟は石川県に住んでいますし、地元の早期復興を心から願い、できる限りの支援をしていくつもりです。今は石川県の経済を回す必要があります。金沢市は大きな被害がないので多くの方々に訪れていただき、地元のおいしい「食」で石川を満喫してもらいたいと思います。
【お気に入りの場所】
◉ 料理旅館「金沢茶屋」(金沢市)……加賀屋の金沢別館。日本人の心ともいえる、加賀屋のおもてなしを金沢で体験できます。
◉ 小松弥助(金沢市)……石川のすし屋のレベルを常に上げてくれる名店。すし好きの間では「幻のすし屋」と言われています。
◉ ル ミュゼ ドゥ アッシュ金沢店(金沢市)……隣は兼六園という最高の立地。金沢観光を楽しんだ後のスイーツは最高です。
【新幹線で春は北陸へ】私が好きな北陸(2) ~松本 薫さん、俵 万智さん、津田寛治さん~へ続く(4/25公開)
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年4月号)
(Web掲載:2024年4月24日)